新学期パーティー【ロジウム】(5)
【迷宮】の話で、かつ、国防の話であれば、今の自分の立場であれば、積極的に動いていくことが可能です。少なくとも、講義よりは……。い、いや、学生の本分は忘れておりませんよ!
「はい、閣下。その際は許される限りで……ですが、リード分団としても支援をさせていただきます。私自身もできるだけ便宜を図らせていただければと。」
「それは心強い。……少し私自身は実感できないのだが、現場の方が、気が楽なのかな、リード卿。」
ぎくり。ええと態度に出ていましたか??
「ははは、リード卿にとって、自分が大事にする現場とは【迷宮】のことであり、私達、貴族の大事にする現場の一つに【社交の場】があるのかも知れないね。性質は異なっても、そこでの振る舞いは、今後、様々な場面で影響していくことは共通しているのかもね。」
どうにもロジウム伯爵は、社交の場を苦手というか、やや敬遠気味の俺に対して、一定の配慮をしてくれている様子。これは、ロジウムの【協会】から支援要請があったときには無下にできないな。
その後、テーラー先輩も席に呼ばれて、おいしい紅茶をごちそうになりました。
なお、テーラー先輩は、ベント卿の上座に、自分の一級後輩である俺が座っているところを見て、相当の違和感を持っている様子。まあ、自分の後輩が、なぜ、自分達の大先輩の上座に座っているの?という感じでしょうか。
それは俺自身も激しく同意しているし、ゆえにずっとベント卿の衣服の裾を(以下略)ですが、当のロジウム伯爵とベント卿が何事もないかの如く、恰もこれで普通ですよという態度で会談を進めていきました。俺もテーラー先輩も、やや苦笑気味でしたが。
なお、【ロジウムの迷宮】には自分自身、あまり関わりがないけれども、領主が支援(特に現金)するとなれば相当【協会】は積極的に動くことになるでしょう。