ジャン・クローズ(4)
なので、俺もモーリーが中心で、十数名の級友をまとめたところなのだ。これを世の中、コネという。王立学園在籍中に、領地持ち子爵の、公務運営や領地運営に関する勤め先が確保できるのは、とてもありがたいこと。
状況によっては、ダルトーム伯爵家やソロム侯爵家にも繋いでくれるという……
ちなみに、前以て、休暇中に臨時勤務をさせてもらったが、どれだけ忙しい状況なのかは、……まあ、仕事がないよりかはいいことか。……ほんの少しだけ実感できました。(ここは重要なので丁寧語)
現在、リードは、自分のタスク管理を、【ソロム】のジェシカ嬢とエーベル嬢に委ねている状況だ。
そして、【ソロムの宝石】ジェシカ嬢は、周囲の皆さんの意見と、「できる範囲で王立学園の学生としてがんばりたい」というリードの希望……これ、間違いなくリードの本音じゃないよね?……に沿うため、非常にタイトなスケジューリングを敢行している様子。
そして、できる範囲で王立学園の学生としてがんばりたい」の中に、教養系の大部屋講義については、俺達D組も一緒に参加できる講義を優先したいということが含まれていて、俺やモーリー如きが、【ソロムの宝石】や【ソロム】の高位貴族の令嬢との調整対応をしている感じ。
いやあ、リードとはお気楽に話ができるけれど、高位貴族のご令嬢との会話は、俺の趣味じゃないよなあ。ちょっと、あまりに恐れ多すぎ。
「何いってるんだい、エーベル嬢との打ち合わせは、俺に全振りなくせに。」
いいんだよ。モーリー、お前は天然なんだから、ジェシカ嬢やエーベル嬢相手でも緊張せずに済むだろ!
「正直、あんなにきれいで可愛い女の子二人とリードはいつもイチャイチャしてて、しかも、小柄で美人なフォルマッテ先生とも、いつもお付き合いしていて……リードのこと、すごくうらやましい……とは、ほとんど思えないんだよな、俺。」
「ジャン! 云っておくけれど、それは俺もだからね!勘違いしないでよね!」