ジャン・クローズ(1)
南歴312年、【四ノ月】王立学園学生寮。
「いやあ、気が付けば、もう3年目だね。俺達も、もう高学年ってことかあ。あ、お茶が入ったみたい。ちょっと取ってくるよ。」
モーリー・アルベールは、そういうと、寮の賄いのおばさんのところに向かっていった。月に一度程度の恒例の状況。おばさん達もニコニコしている。俺達、入学の頃から愛想良かったし、やっぱりおいしいご飯、作ってほしいものだからねえ。まあ、リードの受け売りなんだけど。
「……忙しい、忙しいよ、ジャン。俺は迷宮で探索したいだけなのに。別に王立学園になんか通わなくったっていいはずなのに。そういって、学園長先生も行ったのに。
ねえ、ジャン、聞いてる?モーリーなんかちゃっかり逃げようとしているし。」
そういえば、俺達の一人称も、入学のときは「僕」だったのに、だんだん「俺」になってきているよなあ、とリードのいつものボヤキを聞きながら、適当にリードに相槌を打っておいた。
「別に逃げてないよ!リード、被害者妄想も甚だしい!ダルトーム伯爵に言いつけてやる!」
「だああ、冗談でもそんな事いうなよ……。よくよく考えてみると、ただただ、単純に面倒なことが増えるだけじゃないか。……コーヒー、ありがとう。」
「まあ、素直にお礼が言えるうちは大丈夫なんじゃない?」
ちょっと天然の入っているモーリーが、トレイにあるコーヒーを、俺達の前に置いてくれた。モーリーは結構、自主的に細かな事を率先してやってくれているので俺達にとっては大助かりなのだが、その態度に舐めて甘えすぎると、盛大にぶち切れてしまうので要注意だ。
俺の名前はジャン・クローズ。
【サリウム】に属するクローズ男爵家の次男である。
ちなみに、モーリー・アルベールもまた男爵家次男だ。アルベール家は【ロジウム】に属している。
少し間隔が空いてしまって申し訳ありません。
イラン戦敗退を茫然とみていました^^;
とりあえず、DAZNは一旦ここで解約しよっと。