『迷宮学』(9)
昨日は予約時間を間違えていました…^^;
「……お疲れですか、リード卿?」
お疲れですよ、ラウル先生。
ニコル・フォルマッテ先生があきれた顔をしています。ジェシカさんは苦笑い。エーベルさんは「あきれてモノがいえないって感じよねー」と小さく声を出して呟いています。いや、どうみても面白おかしくこの状況を捉えているようですが???
「ちょっと、週末にお散歩がてら【サリウムの迷宮】に潜っていたのがですね。本当に大変だったなあ、ははは」
「いや、リードさん、違いますよね。【リード邑】までは意気揚々と戻ってきたものの、その後、いろいろな方々から「何を危険なことをしているのだと」存分にご指摘を受けて、それを聞き流しているものだから、誰もが聞き入れてもらうまではとリードさんを説得されていたからでしょう。」
いや、ニコルさん、そんなに大事なことだから何度でも云いますよ、という論調で云わなくても。
「いいですか、リードさん、大事なことだから何度でも云いますよ。あまりに自分の力を過信し過ぎに見えます。この状況においてワーランド家の子爵がサリウム領に無断で踏み込み、しかも、【サリウムの迷宮】の50階層に挑むなど、私でなくても、皆さん、心配されますよ!」
ニコルさん、あなた、心配なんてしていないよね。むしろ、その後の多少のイザコザに巻き込まれたくないから、そんな口調ですよ。
「いっておきますけれど、わたしは心配なんてしていません。むしろ、その後の膨大なイザコザに巻き込まないでもらいたいんです。なのになのに、分団側の調整役は、かつての従者の私の仕事などと……」
僕は、こそっと、【リード邑】の居心地はどうですか、と小さく囁きました。
「まあ、リードさんはいつもがんばっておられますし。ラウル先生、話を進めましょうか。」
そう云って、フォルマッテ先生は、あっさりと黙ってしまいました。ジェシカさんは苦笑い。エーベルさんは「ああ見えて自分の欲望には忠実だよねー」と小さく声を出して呟いています。いや、どうみても面白おかしくこの状況を捉えているようですが???
皆さん、メリークリスマス!です。
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