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リード邑(8)

「ということで、オーガス主席研究員。この地の危険性をどう考えているの。」


「それは、ここは安全区画セーフティーゾーンなので、安全であると捉えていますが。」


「そもそも、【大迷宮】の安全区画セーフティーゾーンなるものの安全性、それと深層における安全区画セーフティーゾーンの差異はどう評価しているの?」


「……」


「ニコル研究員からは、前者については統計的な見地から安全性は高いこと、後者については高位探索者の経験値でしかなく現時点での判断は困難、そう聞いているところだ。


 であれば、少なくとも、階段区画からは一定の距離を保った方が望ましいと思うけれど、現在の配置の考え方について、オスカー隊長、どう考えているの?」


「は、当初20階層の仮設施設を持ち込んだ際は、逆に階段区画事態の安全性を踏まえて、そこに隣接する形で設置しています。

 今後、施設の再配置の際には一定の離隔りかくを取りたいと考えていましたが、魔術研究所と話をする中で、移動に係る手間を考えると、万一の危険性は受け入れるので自分達に使わせてほしいと……」


「で、そんな意見、取り入れるわけ、リード分団は?」


「……」


 モートン総務部長が発言しようとしますが、僕が手で止めます。


「あのね、オーガス主席研究員。この国にとっての77階層の重要性なんて僕にはあまり興味はありません。でも【王立魔術研究所】の研究とその研究員の重要性は認識しています。また、部下といいつつも、同僚たる騎士団の皆さんのことも僕にとっては大事なものです。

 仮に、魔獣達が階段や転移にて安全区画セーフティーゾーンを跨いできた場合、僕達は身を挺してでも、あなた達、研究員を守らなければならない。

 さて、オーガス主席研究員、そのとき、研究員の方々は、我々に【犬死に】しろ、そう仰るのですか?」


「い、いや、ここでの研究の成果の期待値を踏まえれば、そのような些細な事は……」

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