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(子爵)ベント・フォン・メイレル(1)

 俺はベント・サリウム。

 【サリウム】を総べるサリウム伯爵家の次男だ。

 現在は、【王都】で臨時に文官を務めており、ダルトーム辺境伯に声をかけられ、【南の大迷宮】の開発という事業に関与している。


 一般的には長男が家督を継ぐのが当たり前ではあるが、次男との実力を比較して長男の力が劣っている場合は、次男が家督を継ぐ場合も多い。

 そのため、将来的にはバカな兄上ではなく、私が伯爵家を継ぐべきだと考えていた。


 周囲の眼もそうだったと思う。だからこそ、兄上とその背後にいる宰相の勢力は、私の派閥であるメイレル子爵派への人事的な降格という手段に踏み切ったのだろう。


 次なる手は、俺の暗殺といったところか。


 目下、少しでも兄上の勢力から手出しができにくいようにと、母方の法衣貴族の籍を使わせてもらい、子爵の叙爵を受けた。これで、一応ながら、貴族家の尊属という立場から貴族家の当主という立場になった。

 まあ、本来であれば、伯爵家の尊属という立場の方が高いのではあるけれど、貴族家の当主の持つ特権があれば露骨な暗殺は仕掛けにくいことは確かである。


 とりあえず、自分も姿をくらましてみるのも、一つの手段かも知れない。


 ◇


 リード・フォン・ワーランド

 14歳ながら子爵家当主にして、ダルトーム騎士団リード分団の分団長である。

 休日の時間を使って、「個人的に」「【探索者協会】の枠を使って」77階層に降りたきり戻ってこない。


 ちなみに、ここは【南の大迷宮】管理庁舎。

 現在は【11ノ月】、確か王立学園では文化祭をやっている時期であろう。そして、リードは文化祭をバックレる気だ。頭が痛い……


『【南の大迷宮】の深層にて【魔獣】の動きあり。大きな問題は生じていないが、念のため、分団長が事態の把握に乗り出している。』


 苦笑いしているオスカー隊長を横目に、リード分団として正式な通知を、ダルトーム騎士団と王家と王立学園に発出しておいた。

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