(騎士)オスカー・ベルグランド(4)
100万PV突破しました!(2023/6/10)
ありがとうございます!
この夏には、もともとダルトームの宝具であった『強化鎧』は、宝具【王の矛】として、ダルトーム騎士団の中で、その向上した機能が認められていた。
また、王級の宝具ではなく、伯爵級の宝具であるため、調達の難易度は王級のものと比較して、やや入手しやすい宝具とも……云える。要は、宝具であるにも関わらず実用的な運用が可能な魔装であるという認識だ。
いや、一体整備するのに、ものすごい手間と費用が掛かるのだけどね、王級と比較したら……ね。
◇
「キューシーで、結構、機能が向上するとは思っていたけれど、これほど、強化装甲の機能が向上するとは……
いやいや、それだけ、改修できる機能のノビシロがあったということか……」
「キュー……? ノビシロってのは、【王の矛】の機能のこと?」
リード君との会話の中で、何か聞きなれない単語もあったが、あまり気にせずにいよう。
「ああ、オスカーさん。そうです。いろいろ問題が山積していて手を付けてなかったけれど、それは改善の余地があるということなので、工夫を重ねれば、それだけ性能が良くなって使い勝手も良くなるってことです。」
「リード君、相当、【王の矛】にこだわりがあるようだけれど、なぜ?」
素朴な疑問であったが、聞くだけ野暮でもあった。
「だって、オスカーさん。
僕、背が伸びて、【翡翠の大鎧】は使えなくなったけれど、逆に【王の矛】は、何とか使えるようになりました。
それなら、使えるようになった、【王の矛】を納得行くまで、格好良くしたいじゃないですか!納得行くまで!」
いや、大事な事だから二度云いましたので満足、みたいな顔をされても。
確かに、出会った時から、リード君は熟練の魔装使いだったが、王家や伯爵家の宝具に対しては、単に性能や機能、経済的な価値だけではなく、その外見や存在についても執着しているというか愛着を持っているというか。