プロジェクト55(5)
なお、次回は2/18(土)10時、19時に投稿します。
よろしくお願いいたします。
ちなみに、今回、ダルトーム騎士団を率いるのはテザリオ卿です。
ウォード卿は、早々に団長昇格がある訳ですから、御屋形様や姫様の傍にいてもらわないと。
こんな最前線に来てもらう訳には行きません。
ちなみに、大の大人から「ぐぬぬぬぬ……」という台詞を聞けたのは、良い経験でした。
「ここの階層主は、黒単眼巨人2体でしたね。両方とも、単眼から炎線を発することができ、膂力も凄まじいと聞いています。」
「そうですね。ただ、情報を整理した限り、【魔獣暴走】の赤褐牛鬼の方が上位の【魔獣】ですし、これだけの宝具を揃えた状態だと……、まあ、油断さえしなければ、安全に攻略できると思います。」
「遠距離と近距離の攻撃を使い分ける【魔獣】ですから、油断は厳禁であると思っています。
逆にいうと、黒単眼巨人がどちらで攻撃すれば良いか惑わさせる方法で行くということですね。」
「そこはリード君の腕の見せ所でしょうね。」
テザリオ卿の問いに、バレリ氏がにっこり微笑みながらこちらを見ました。
◇
陣形ですが、前列に【翡翠の大鎧】と楯役の騎士4名。後列には遠距離魔術による攻撃役の騎士4名。遊撃に僕。探索者3名は部屋の入口に待機、としました。
まずはニコル嬢が前進。
黒単眼巨人は、黒色の肌、3m近い巨体、顔面の多くは単眼で占められ、その眼からは炎や熱線が発せられます。手にはこん棒のような塊の装甲を持ち、肩や腰にも、甲が纏わりついています。
ただ、探索者の遺品である武器を持つ【鉄持ち】ではありません。
その巨躯は、【翡翠の大鎧】に匹敵する程の存在感があり、【王の矛】と比較しても遜色ない移動能力を有するとのことです。
逆にいうと、体躯的にはほぼ互角。
しかし、階層主は2体で、こちらは宝具持ちが11名。
……油断は禁物ですね。