プロジェクト55(1)
【七ノ月】 王立学園。
「リード君、いくらお嬢が可愛いからって、お嬢に惚れちゃダメだよ。きしししし。」
「エーベル、何言ってるの、もう!」
はい、相変わらず、ジェシカ嬢とエーベル嬢は仲良しです。
エーベル嬢は、おそらく僕をつかってジェシカ嬢を揶揄う、という技を手に入れていました。
また、悪いことに、ジェシカ嬢が律儀に反応するわけです。顔を真っ赤にして。正直、そこが愛らしく可愛らしいのです。マリノ君もモーム嬢もそんな二人を生暖かい目で眺めています。眼福、眼福……
正直なところ、前世(?)において、そんなに恋愛をする機会はありませんでした。まあ、多少はしたのかなあ……、周りもそうだったし、日本ってそんなところだったと思います。
「頭は大人、身体は子供」なんでしょうけれど、前世(?)かどうかは当然分からず、実は、自分はもとから14歳の少年なのかなあと思う時も、若干、あります。
「はあ、なんかなあ。お嬢は見ていて可愛いんだけれど、どうしてリード君は、それこそ『孫を見るような眼』で私達を見ているの?リード君も一緒に真っ赤にならないと、お嬢が可哀そうじゃない!」
「エーベル!!!」
どうにも、エーベル嬢の評価は、僕の感性は「お爺さん」レベルということでしょうか。
◇
これから、王立学園は長期休暇期間に入ります。
【七ノ月】の下旬から夏季の休暇に入り、【九ノ月】は【秋の交遊会】の期間真っ只中になっていきます。特に【ソロムの魔獣暴走】が収束して、今後の展開を見計らう政策時期に移りますので、各貴族の動向も活発で激しいものになると想定されています。
そうでした。
メンテナンスで、1話ほど、投稿がずれていました。
本日、3話分、投稿していますので、ご容赦ください。




