小剣(4)
ところでこの小剣なのですが。
基本的に、【迷宮】において、武器が発生することはありません。
古の時より、高位の魔石と往事の失われた技術を活用した装備が、幾度も幾度も【迷宮】内で戦いを繰り広げた中で、【迷宮】内で失われたモノが、主に階層主がいる区画や部屋、悪質な罠が仕掛けられた区画や部屋に放置されていることが多いのだと、僕は師匠から習いました。
特に50階層から下の層には、かつての腕自慢達が挙って【大迷宮】に挑戦した残滓が、深層魔装と云われるものだと解釈しています。
そう考えてみると、この小剣。実は宝具レベルの武器なのではないか。そんな気がしてきた訳です。ゴ〇ブリの体液塗れではありますが……そんな言い方しちゃダメだ!
※誰に向かっていっているのでしょう、僕(笑)
ちなみに、いかに僕が深層魔装を駆使できるといっても、50階層より下、具体的には55階層から下層の階層主には、とても単独では挑む気にはなれません。先般の【魔獣暴走】鎮圧のとおり、騎士団や軍であたる状況なのです。
僕が【南の大迷宮】の92階層までの行路を確保できたのは、92階層から「上って」きたため。つまり、階層主の部屋を避けることができたためです。
それだけ、【ワーランドの小迷宮】の転移魔法陣が特別な存在だったということでしょう。まあ、【災厄】を倒すことが出来たから、そんな事が云えるのですけどね。
あの転移魔法陣をどうすべきか。
その辺りもウェリスさんと相談しなければと思う訳です。
ちなみに、ダルトームの文官であるウェリス・エリオン氏は、ワーランド領の立て直しのため、ダルトーム伯爵家から派遣されています。いずれはワーランド子爵家の家宰を兼務しなければならないのでしょう。
これまでより権限も給与も増え、そして労働時間は一層増え、何と可哀そうなことになったのでしょうか。それも彼の数奇な運命のなせる業なのでしょうか(棒読)。
そんな感じで、周囲の人も巻き込んで、僕はがんばっています。
一応、まだ冬休みの人も多そうなので、短めの話を入れてみました。
方針としては、土日に2,000字ずつでがんばりたいです。
※スマホで読みやすいよう、少し工夫してみます^^;