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転移魔法陣の先(4)

 やはり諸悪の根源は、この僕が撲滅しなければ。

 いつでも転移陣から帰られるように、ヘッピリ腰状態で、通路の先を見守ります。

 懐から炭の袋を取り出します。固まった状態ですが、ひと声かけると黒い粉に姿を変えました。


 舞い上がったそれを、気流操作でコック〇―チのいるあの空間に送り込んでいきます。

 舞い上がったそれを、気流操作でコック〇―チのいるあの空間に送り込んでいきます。

 ……と幾度か作業を繰り返すと、僕の直感が「そろそろ爆発できるよ」と囁きます。


「炎よ」

 数十メートル先の、魔獣ならぬ魔蟲部屋の入口に着火すると……

 閃光が発し、腹の底が疼くような振動が空気を震わせ、ドンッと大きな爆発音が響きました。迷宮の中って吸音吸振動が基本でしょうから、それなのに爆発音が響いているということは、この爆発の威力が窺えるものです。

 ほんの少し魔力を消失した気怠い感触と、魔獣を討伐したときに感じる経験を得たときの感触。

 しかし、僕は油断をしません。まだまだ、生き残っているかもしれない。

 ということで、塵の袋を再び取り出してみるのでした。


 塵を送りこんで引火させ爆発させるという作業を5回繰り返したところで、さすがに、生存している魔獣、ではなく魔蟲は消え去ったであろうとの仮説を立てました。

 それを立証するためには、どうしても再び部屋を覗き込まなければなりません。

 あの気色の悪い空間を眺めるという苦行にあえて踏み出すのか、僕。


 とりあえず、空間の手前で風を読もう。

「風よ」

 ほんの少し空気が揺らいで風が舞うと、その風を通じて、自分の周囲に音や匂いや空気の動きがないかを感じていく。

「地よ」

 今度は地面に手のひらを当てる。振動がないかをじっと感じてみる。


 うん、特に生きているものの気配は感じられない。

 ソーと覗き込んでみると、動いているものの姿は見られません。腰を屈めて部屋に入ってみます。

 空間の広さは、いわゆる小学校の体育館くらい。切り石を積み上げた壁に石畳。

 その石畳に、莫大な数の魔石がまるで鉱石のように転がっていました。

 振り返ると、石積みの壁があります。どうにも幻視機能により、ワーランドの小迷宮には気づかさせない、環境保全がワーランド側に配慮されていたみたいです。


 心を強く持って!

 自分に言い聞かせて、さっきの光景を思い出します。

 ……吐き気が。

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