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無敵のカレーパン

窓を開けて、やっと涼しいくもりのひと雨降るかもしれない空気を入れた。


なんでもありの、実り豊かな秋。こんがりきつね色のカレーパンかじって、甘いミルク入りのコーヒーでひと息。土日のどっちかはカレー味。中学受験の頃から、土曜の夜にはよくカレーが出て、日曜の昼に二日目のがより美味しいカレーが出た。たまにビーフ、ハヤシ、ボルシチなんかもあったかな。


見学して気に入った、中高一貫の学校に入った。大好きな英語に力を入れつつ、のんびり楽しい6年間が自分を待っているハズだった。


ささやかな希望は、1年待たずしてあっという間に消えてしまった。学年イチの暴れん坊が、全ての調和を乱し、教師達の心まで荒れて、学級委員でも、生徒会長でもない、お気楽な放送委員の自分に、「模範生」のラベリングがなされ、「マジメ」を苦手とする、ある教師からの八つ当たりに、心底怒りを覚えることとなった。


自分の怒りが日に日に酷くなるにつれて、不思議と成績は右肩上がり、遂には、90点以下は取らない、満点が4科目なんて時もあり不良と呼ばれることは無かったから、誰にも文句を言わせない、向かうところ敵なしの自分になっていた。上位でも、1位でも、全く楽しくも嬉しくもなかった。


自由解放。自分は通信制の高校に入った。高校生活は天国の3年間になった。茶髪でも何でも好き放題。自分という1人の15歳の人間にケチをつけた、あの妙なネクラ先生。あいつがアレコレうるさいから飛び出した。


数十年以上経った今、15歳の選択は正しかった、と満足している。もともと好きで続けた勉強。趣味と同じ感覚だったから、通信制高校は留年せず、卒業できた。怒りまかせとは言え、ハイスコアの自信は心の支え。


ありがとう、先生。改めて。サヨナラ。

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