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不動仁王は、女に弱い。  作者: モンブラン博士
異世界への旅立ち編
9/18

腕相撲 1

翌日の夕刻。

俺と白玉は円型のテーブルに各々の右腕を出して臨戦態勢を取っていた。

これからふたりで腕相撲を行うのだ。

白玉からの提案だったが、俺は嘲笑した。

いかに怪力とは言え、俺の本気の腕力と張り合おうなど笑止千万。

すると奴はにひーっと満面の笑みを浮かべて告げた。


「これは普通の腕相撲じゃないよ。どっちが我慢できるかの腕相撲だよ」


意味不明な提案に若干困惑しつつも白玉の手を掴んで驚いた。

奴は全く力を加えていないではないか。やる気を感じられぬ。


「どうした。本気で来い」

「さっき言ったじゃん。我慢比べの腕相撲だって」

「成程。この勝負、先に根が尽きて倒した方が負けなのだな」

「そういうこと。飲み込み早いね」


時は過ぎていく。食事は振舞ってやったので空腹の心配はないだろうが、この勝負をいつまで続けるつもりなのだろうか。

互いの手を握り、けれど決して力は加えてはいけない奇妙な腕相撲。

俺の額から汗が噴き出し、次第に力が抜けていくのを感じた。


「やはり、力が」

「あれ~? 不動くん、もうギブアップなの?」

「お前如きに負けるなどあってはならぬ」


ふたりだけの腕相撲はまだ続く。

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