4/18
不動の弱点!
威勢よく名乗りを上げ、蜘蛛女の細長い腕から仕掛けられた攻撃を躱し、逆にとってヘシ折った。細いことも手伝い簡単に折れたが、腕は残り三本ある。
腕を払ってバランスを崩したところで蹴りを見舞って横転させる。
馬乗りになり、蜘蛛女の顔に雨のような打撃を放って間合いを取る。
巨大な蜘蛛はピクリとも動かない。
俺は背後に声をかけた。
「もう大丈夫だ」
刹那、鎌のように振り下ろされた右腕が俺の脇腹を掠め、流血させる。
俺は歯ぎしりをした。完全に往生させたと思っていた。
否、思いたかったのだ。
そしてこのダメージ。
蜘蛛女は顔面を半分破壊されただけでまだ生きている。
通常ならば跡形もなく顔が吹き飛んでいるはずなのに。
こうまで相手が頑丈なのか。
「違う」
俺は呟いた。
認めたくはないが、俺の唯一の弱点が発動してしまっているのだ。
しかも、過去最速記録で。
成程。師匠が地獄と言ったのも頷ける話だ。
何故なら俺は。
俺は――
「女を相手にすると急速に弱体化する!!」