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令嬢レベル2-6


「カレディ嬢、体調は大丈夫ですか?」


「元気ですわ先生」


先生が傍に来ると、お兄様は離れた。

先生も心配そうに頭を撫でてくれるのでとりあえずニコッと笑っといた。


「心配かけてごめんなさい」


「カレディ嬢はもっと食べた方が良いですね。明日からはお菓子を沢山準備しておきますね」


しかし。後ろで楽しそうに先生を見ている少年は誰なんだろうか。私の視線に気づいた少年は紫の瞳を楽しそうに煌めかせて笑った。


「体調が回復したみたいで良かったです。明日から一緒に授業を受けるのを楽しみにしていますね」


「はあ…」


ニコニコと笑った少年はぺこりと頭を下げると部屋から出ていった。

あの人は……

少年が出ていくと、何故かお兄様がほっと息を吐いた。


「ねえお兄様」


「なんだいカレディ」


「さっきの方はどなた?」


そう聞いた瞬間、お兄様の笑顔が凍りついてリオス先生は笑みを固めたまま吹き出した。あと部屋の外からもガタッと言う音が聞こえた。


あら、会ったことがある方でしたっけ。首を傾げると、ごほんと咳をしたリオス先生が私に目線を合わせてふっと笑った。先生の紫の目はものすごく楽しそうだ。


「カレディ嬢、君とジャンの瞳が特有眼なのはご存知ですよね?」


「深紅色ですわよね?」


「ええ。じゃあ、この国の王族の特有眼は?」


「アメジスト色ですわ!」


それくらい知ってますわよ。堂々と言い放つとうんうんとリオス先生は頷いた。


「………」


「………」


「………?」


あれ、私間違えたかしら。

何故か笑顔の先生と無言で見つめ合う。


「アメジスト色は何色?」


「……紫、ですわよね?」


「うん、そうだね」


「………?」


「…………」


やはり無言で見つめ合う。

先生は堪えきれずに何故か笑いだした。

え、え、私何を…。


「あははははっ、カレディ嬢?先程の彼の瞳は何色だった?」


「え?えっと…紫の瞳……はっ、まさか彼は王族ですの!?」


「ぷ、プハハハハ!気づかなかったんだねカレディ嬢」


まさか王族だったとは。そう言われれば、彼は紫の瞳だったわ。

失礼な態度を取ったことにさあーと血の気が引いていく。なるほどお兄様の顔色が変わった理由がわかったわ。


「私、なんて無礼を…」


「大丈夫大丈夫、まだ自己紹介すらしてないからね」


本当に?本当に?

不安だけれど、先生がそう言うのなら大丈夫なのかしら。

ほっと胸を撫で下ろすと、リオス先生が優しい目で頭を撫でてくれた。


「驚きましたわ、私王族の方なんて初めて見ましたわ」


そうボヤいた瞬間。ビシッとリオス先生が何故か固まった。


『ぶふぉ!!』


そして部屋の外から誰かの声が聞こえた。


「先生?どうかなさったの?」


尋ねてみても先生は何故か固まったまま動かない。


「カレディ……先生の目の色は何色?」


「何言ってるんですのお兄様。リオス先生の目の色は…むらさ…き…」





「ぴゃー!!??」





「複雑な気分ですね、センセイ?」


「そうですね。彼女は知識としてはしってる様子だったんですけどね」


先生…叔父の出待ちをして医務室から出てきた叔父と笑いながら勉強部屋に戻る。


興味深い。非常に興味深い。

先程は不思議そうな顔をしていたけれど、次会った時はどんな顔を見せてくれるのだろうか。


ロシャン随一の穀倉地帯を収める由緒ある貴族、ディティリスの一人娘。

明日の授業がとても楽しみだった。



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