令嬢レベル3-6
本日二話目の更新です。次の更新は12時です。
翌日またヴィが馬車に乗って迎えに来て。
コースター邸の玄関にドイル様とロック様とカレルさんが待ってらした。
「やあリルチェル。母上が君に新しいドレスを用意したからすぐ来るように、だって」
「ごきげんようロックお義兄様、ドイルお義兄様。わざわざ教えて下さりありがとうございますロックお義兄様」
「リルチェル、ちょ、」
カレルさんがさっと壁になり、ロック様がドイル様を止めてヴィが私を連れて足早に連れ去る。見事な連携だった。
「兄上、本当に鬱陶しい」
「まあまあ。今は血迷ってらっしゃるのよ」
「リルの色香に狂ってるんだろ」
「私、まだ10歳だけどそんなの出てますか?」
「…リルはいつでも可愛いよ」
ぷりぷりと怒りながら前を走っていたヴィはあっさりと照れだした。
そんな彼にふふふと笑って「ヴィもいつも素敵です」と小さく呟いた。
きっとヴィには聞こえているだろう。でもそのまま振り向かないで欲しい。きっと私の顔も赤いから。
翌々日はヴィが迎えに来てくれて、玄関ではなんとザキエラ様が出迎えてくれた。侯爵様直々の出迎えに喜びよりも恐れ多さが勝って心臓がすくみ上がる。
「愚息は駆除済みだ。安心するが良い」
ザキエラ様はいつもの表情でそう言った。駆除って、何をしたんだろう……すごく気になるけど、聞けなかった。
さらに次の日は馬車にヴィと……老先生が乗ってきた。
「リルチェルや、今日はお主の家で授業をしたいんじゃが大丈夫かのう?」
「ごめんねリル。急なことで先触れが間に合わなかったんだ」
「すぐに準備致します!」
慌てて母様に伝えに行き、慌ててチェンザー先生と授業に使っていた部屋を整える。掃除そのものはされていたけれど当時は生徒が一人だったからね。二人受けられる準備をするも……授業部屋は今はすっかり私の書庫と化していたのでそれはさすがに誤魔化せず、ヴィと老先生からかわれることになった。
「リルチェル、こんな可愛い小説も読むんだね」
「エルドラ語の童話集じゃの。民話も現地の歴史を知る上には欠かせないからいい判断じゃの。国民全員が覚えている童話は当たり前のように話の種になったりするからのう」
ちなみにヴィがうっかり漏らしたことによると、どうやらドイル様は老先生に直談判をしコースター家の勉強で使っている部屋に居座ったため今日は二人で出てきたらしい。なんて迷惑な……。
その翌日はヴィだけが乗ってきた。
「今日は母上が兄上を茶会に連行したから大丈夫だよ」
そう言って笑うヴィの笑顔はとても眩いくらい輝いていて、いつも以上にキラキラとした王子様だった。
ドイル様が不在で嬉しそうと言うレベルでは無さそうだけれども……エリュー様一体なにをなさったのだろう。とても気になったけれど、聞くことは出来なかった。




