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令嬢レベル2-11


用意されていた本はロシャン語で書かれた、ロシャンの資料だった。

名産品などの紹介がわかりやすく書かれており、大変興味深い。スワトロで覚えた名産品の知識と比較しながらスルスルと頭に入っていく。


うちの国では南方、ロシャンではタウと飛ばれる方角が暖かく、うちは山が多いので狩猟や果実系がロシャンは海があるので海産物や平地で取れる果実が特産品、と言った感じでね。


『地理スキル(ロシャン)のレベルが1に上がりました』

『地理スキル(ロシャン)のレベルが2に上がりました』


今まで得た知識外だったからかレベルがサクサク上がる。レベルアップの恩恵と、既にスワトロの歴史でコツを掴んでいたためか


『地理スキル(ロシャン)のレベルが3に上がりました』


昔は苦労していたのに、あっさりと3を超えた。

成長したんだなと感慨深い気持ちになった時。


「お嬢様、そろそろ着きますよ」


「あ、はい」


馬車の外から声をかけられた。

中の木窓を開けると外が見える。


そこにはきらきらドーン再びと言った大きな門があった。

門を超えて向こうの方には既に大きそうな屋敷が見えている。


きらきらドーン三発目の予感を感じながら、読書に夢中で吹っ飛んだ不安がまた戻ってきた。

ビシュー様は三男だ。家を継ぐ可能性は皆無に等しいが…え、私こんな家の坊っちゃまの婚約者…候補なの…?


住む世界が違う。私はその時初めて母様の不安がわかった。


「よく来てくれたわね」


「お招きいただきありがとうございますコースター夫人」


「リルチェルが来てくれるのを楽しみにしていたわ。ビシューは今はお勉強中だから私に付き合ってくれるかしら?」


「もちろんです」


玄関で待ち構えていたのはたくさんの使用人とコースター夫人だった。夫人は即座に私の手を取りどこかに連行する。


そこは衣装部屋だった。色鮮やかな様々なオシャレなデザインの……明らかに子供向けのドレスが置いてある。

コースター家には息子しか居ないはずだ。つまり、つまりだ。


「リルチェルが御両親から贈られたドレスを気に入っているのはわかっているわ。でも私も貴女の親のような者ですし、貴女に似合うドレスを贈りたいの…ダメかしら?」


私のために準備されたのだろう…かな?

本音を言えばこのドレスは脱ぎたく無かったけれど、こんなにたくさんの準備をされたドレスを前に断るなんて無理だ。


「いえ、こんな素敵なドレス嬉しいです!コースター夫人に選んでもらえるなんて…!」


心でガクガクしていたけれど表面は一切出さずに喜び。

私はそれからお昼の時間まで着せ替え人形にされた。


ビシュー様の授業、こんなに長引くなんて……無いよね…?

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