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令嬢レベル2-3



令嬢レベルが2に上がり、レベルアップした分の各スキルの余白と言うか…経験すべき場所を埋めていき、感覚に慣れてきた時。


母様がお出かけをするからあのドレスを着ましょうねと言ってきた。


「明日は伯爵家の坊ちゃんの誕生日パーティに招待されてるのよ。リルチェルももう8歳だし外の世界を知ってみましょうね」


「わかりました」


お出かけ!お出かけ!

しかも、あのドレスを着て!

淑女の仮面で内心はきっちり隠すが、その内心は浮かれまくっていた。


またこれは出会いのチャンスでもあるだろう。伯爵家の坊ちゃんなら、私のレベルの許容範囲だしなあ。









と、思っていた日もありました。


「お久しぶりですジュディス・エイラー様」


「あら、リリエル。来てくれたのね、ありがとう!まさか貴女が来てくれると思わなかったわ」


「ふふ、今日は頼まれた通り我が家の宝物も連れてきましたの」


嬉しそうに夫人に挨拶をする母様

だがしかし母様、その夫人に馬鹿にされていますよ。

高レベルの演技スキルのおかげか、夫人が侮蔑の目で母様を見ているのがわかった。


『慧眼スキルがレベル1に上がりました』

『慧眼スキルがレベル2に上がりました』

『慧眼スキルがレベル3に上がりました』

『慧眼スキルがレベル4に上がりました』

『慧眼スキルがレベル5に上がりました』

『慧眼スキルがレベル6に上がりました』

『慧眼スキルがレベル7に上がりました』

『慧眼スキルがレベル8に上がりました』


と思った瞬間、システムアナウンスがいっぱい響いた。

同時にレベルアップなんてはじめての事態に一瞬クラリとするも、演技スキルで誤魔化して笑顔で挨拶を返す。


「お初にお目にかかります。フランソワの娘でリルチェル・フランソワと申します」


「あら、御上手ね!初めましてジュディス・エイラーよ」


一切の隙もなく、先生のような底の読めない完璧な笑顔で完璧なカーテシーを決める。

そんな私を選別する目で見てくるエイラー夫人。


「とても可愛らしいわねリリエル。流石貴女とダニエルの娘だわ」


全く母は気づいてないけれど、エイラー夫人の言葉にはいちいち毒が控えめに入っている。彼女は恐らく母様を顔だけ綺麗な馬鹿と思っている。


相手が伯爵家とはいえ、こんな姑が居たら幸せな結婚なんて出来るわけが無い。顔を見る前からエイラー子息は私の対象外としたのだ、けれ、ど……。






「おいリルチェル!お前はこっちに来い!お前は僕の隣だ!」


「はい、エイラー様」


私を傍に置いてふん!と嬉しそうに菓子に手を伸ばすエイラー子息。乱暴にとるから皿からお菓子がこぼれているが彼は気にした様子も無く貪る。食べ方が汚いから口の端にゴミが着いている。


「あらあら、レイドはフランソワ嬢が気に入ったのねえ」


なんてエイラー夫人の声も聞こえて来る。

私が無いと切り捨てても。

エイラー親子はどうやら私にロックオンをしてきたようだ。


その証拠に周りにはたくさんの子女、子息がいらっしゃるのにエイラー子息の傍に侍らされたのは私だけだった。



……これはとてもやばい。


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