令嬢レベル1-10
8歳になった。身長も伸びて、レベルもチェンザー先生のおかげで色々と伸びました。
8-10レベルのスキルも増えて、特にチェンザー先生の熱が入ったスワトロ語、スワベル語、ロシャン語は11だ。
日常会話は書くも読むも問題の無いレベルだ。ただ、ロシャン語の敬語の発音がちょっと…。
『そうなんデスネェ』ってなんか胡散臭い商人みたいな発音になるんだ…
そこは今必死に特訓中だ。
「リルチェル、はいプレゼントだよ」
「ありがとうございます!開けてもいいですか母様!父様!」
「ああ、もちろんだよ」
誕生日当日に両親から貰ったのは白いフリルが可愛いドレスだった。そして裾の方に青い色の刺繍がさしてある。ただドレスのデザインに対して刺繍が少しばかり不器用な…デザインのような気がする?
「とても可愛らしいです!」
「気に入って良かったわ。リルチェルほど上手くは無いけれどチェンザー先生に私もこっそり習って刺繍刺してみたのよ」
「これ、母様が!?」
「ええ」
照れたように笑う母様に胸が熱くなった。母様は不器用さんだ。刺繍レベル9の私よりも上手くない。苦手だとも公言している母様が懸命に刺してくれた刺繍のドレス。
嬉しすぎる。すごく、すごく嬉しい。
「リリエルばかりずるいぞ。リルチェル、このレースはロシャンの伝統模様のようだぞ。ロシャン語の勉強に苦戦してると聞いてな、綺麗なものを見てロシャンをもっと好きになってもらおうと思ってな」
「父様…!」
父様も、私にとても気を使ってくれていた。
そんな二人から贈られたドレス。嬉しいなんて言葉では言い足りない。ドレスを傍に居たアリーに渡して手を広げて駆け寄ると両親は笑って私のことをしっかりと抱きしめてくれた。
父様大好き。母様も大好き。
大好きな大好きな両親。
なにか、お返しをしたい。私のこの喜びを二人に伝えたい…!
「でしたらお二人に刺繍を刺したハンカチを差し上げたらいかがでしょうか?今のリルチェルに作れる最高の逸品を」
先生に相談をした結果いいアドバイスを頂いた。私が贈り物として形が一番残るもの。確かにそれは刺繍だ。
先生と一緒に刺繍図鑑を見て、ハンカチ全体のデザインを作っていく。
これが完成したら、あの素敵なドレスを着よう。
目標を立てて懸命に刺していく。
1枚目は、失敗した。
2枚目も失敗した。
……自信満々の出来の作品が出来たのは五枚目のことだった。
でも六枚目でまた失敗して、二枚できたのは結局八枚作った時の事だった。
八枚目のハンカチの刺繍刺し終えた時。
『刺繍スキルレベル10になりました』
『おめでとうございます!教養レベルが2に上がりました。』
『おめでとうございます!知識レベルが2に上がりました。』
『条件を満たしたので令嬢レベルが2に上がりました!』
三年かけた、悲願がようやく成就した。




