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令嬢レベル1-1

Gw期間限定小説。毎日3回更新予定です。


結婚が、したかった。

幸せな夫婦生活をしてみたかった。子供も欲しかった。


ただ、それだけだったのに。


「この泥棒猫!!」


駅の階段で、後ろから突き飛ばされた。

落下しながら最後に見た犯人は、先日まで独身と偽って私と付き合っていた彼氏の奥さんだったーーーーー……。






何故、私は男運が悪いのだろう。

告白されて付き合った男は浮気性、既婚者、彼女もちばかり。

誠実な彼氏が欲しい。誠実な旦那様が欲しい。




しあわせなおよめさんになりたい。




それが『私』の心残りだった。





ゆっくりと目を開ける。すると見た事の無い天井でギョッと飛び起きる。

そこは見た事の無い天井だけじゃなかった。

広い部屋。乙女心擽られる天蓋付きの柔らかなベッド。

ぬいぐるみに、観葉植物。さらに大きなベランダ?


理想の子供部屋、と言ったその部屋に見覚えのあるものは全くない。

ギョッとしてベッドから慌てて降りると、あの、その




身体が、小さかった。


手も足も、記憶の私の半分以下だ。


言いようのない不安が込上げる中、辺りを見回すとドレッサーがあったので、その鏡の前に立ってみる。



するとそこに映っていたのはどこにでも居る黒髪の日本人ではなかった。


明るい金髪のふわふわした長い髪。

真っ白なシミひとつない肌。

まつ毛バシバシで大きな水色の瞳。

………の、明らかに少女。いや幼女かもしれない。


自分ではない自分。

それすらも受け入れられないのに、鏡に映った少女には見た目だけじゃなくてもう1つ受け入れられない事態が発生していた。




美少女の頭の上に、なんというか。


非常に言いづらいのだが、ステータスウィンドウっぽいものが見える。


と言ってもそれはHPやMPと言ったゲームでよくあるものでは無かった。


『リルチェル・フランソワ(5)』

『令嬢レベル1(愛人や後妻、駆け落ち婚の対象レベル)』


愛人や後妻、駆け落ち。


あいじんやごさい、かけおち対象レベル。


愛人と聞いて最期の瞬間を思い出す。

私は知らなかったが、あの女性からすれば私は愛人だったのだ。


突き飛ばされた衝撃。

階段を転がり落ちる激痛、強打した頭。


死にゆくからだ。

冷たくなっていく感覚。それらを思い出して血の気が引いていく。


嫌だ。愛人や後妻なんて嫌だ。

ドサッとその場に倒れ込み意識を失いながらも。




私は今度こそ幸せな結婚をしたいと、強く願った。


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