ガンジェリアとの出会い
「うわっ、きたなっ。」
豊国の島改め絶望の島に着いた私は、大豆の種を探し始めた。
「あった。って、何でそんな所にあるわけ?」
大豆の種があったのは、崖っぷちだった。
おそるおそる近づいた。
「あっ。」
気づいた時にはもうおそかった。
約2kmを泳いできたから、服はずぶ濡れ、もちろん靴もずぶ濡れだった。
だから、すべってしまったのだ。
もう、だめだ。
そう思った時、何かが私の体を抱えた。
「あなた誰?」
私を抱えたのはリュウ。
赤いうろこ、きれい。
いや、ちがう。
そんなんじゃない。
この子、怪我してる。
「て、あんた大丈夫なの?」
「姫様こそ、大丈夫なのですか?」
かしこい、このリュウ。
私が王族である事を知ってるんだ。
「とにかく降りて、これじゃあんたの体が持たない。」
岩陰でリュウの手当てをした。
「あんた、名前は?」
「無い。」
「へえ、そうなの。じゃあ私が考えてあげる。決めた、ガンジェリアはどう?」
「あり、がとう。」
「そもそも何で怪我してるの?」
「カラスに追われて、つつかれて。」
「ふうん。よし、治療完了!」
「ありがとう。」
ガンジェリアはお礼を言うと、西の方角へ飛んで行った。
このリュウが、のちに大きな任務を果たす事になります。