プロローグ
本編と連動している外伝ストーリーです。主人公は本編でも登場している睡無マナちゃんとなります。本編で登場したキャラも複数出てくる予定となっております。
日本のとある研究所。
そこには一人の白衣を着ている男性が苛立ちを隠そうともせず、自分の部下たちへ当たり散らしていた。
「まだ見つからないのか!!」
「も、申し訳ありません・・・・」
部下の一人、同じく研究員と思われる男性が頭を下げ謝罪をする。
だが、怒鳴り込んだ男はそんな部下の対応にますます語句を荒げた。自分が今欲しているのは何の価値も無い謝罪という名の言葉ではないのだから。
男は机の上の資料を納めているファイルを部下に投げつけて叫んだ。
「何度聞いても返す言葉は同じ「申し訳ない」だ!!俺が探している〝アレ〟の手がかりすら未だに掴めていない!!やる気はあるのか!?」
「申し訳ありません。しかし、〝アレ〟は完全に魔力を0の状態へと抑えることが出来る為、魔力を探知して探すこともできず・・・・・・」
「言い訳など聴きたくない!!」
男は頭をガリガリと掻きながら怒鳴り散らし、唾を飛ばす。
「いいか!アレは我々の創り上げた中でも最高傑作品なんだ!草の根別けてでも探し出せ!!!」
男は部下たちにそう言うと、今居る部屋の扉を脚で蹴り、部屋を出て行った。
施設の廊下を歩きながら男はガリガリと爪を噛む。
「どこに行った!〝ナンバー2〟!?」
その研究所から随分と離れた場所、ボロボロの大きな布を身に纏った小さな子供が人気のない森の中を歩き続けていた。
布で全身覆われ顔は判からず、息遣いが随分と荒い。
「はあ・・・・はあ・・・・」
この子は逃げていた。
非道な大人から・・・・そして暗く絶望の世界から・・・・。
「はあ・・・・はあ・・・・」
もう随分と歩いた、此処まで来れば一先ず見つかりはしないだろう。
しかし、この子に行く当てなどなかった。あの施設の中だけが自分にとっての世界だったのだから。
「でも・・・・戻りたくない」
ぽつりと消え入りそうな声で呟く子。
声色から少女であることが判る。
「・・・・お腹・・空いた」
少女は森の中を空腹のまま歩き続けた。
何があろうと自分は捕まる訳にはいかない。捕まれば、また利用される。
――人を殺す為、金儲けの兵器の為に――
少女は懸命に足を動かす。
温かな世界へと辿り着くために・・・・・・・・。




