入学式と言う名の勧誘会
教室の席もほとんど埋まり、全体的にほんわかした空気が流れていた。
ふと、後ろを見ると先ほどの天然少女と目が合った。
彼女はその柔和な笑みをこちらに向け、手まで振ってくれた。
俺は正直とても舞い上がっていた。
とんとん、と後ろから肩をたたかれた。
前を見ると、少しチャラそうな男子が満面の笑みでこちらを見ている。
「あの子、可愛いな。知り合いか?」
はぁ・・・。
まったく困ったやつだな。
僕の天使ちゃんに手を出そうとするなんて百年早いぜ。
適当にあしらおうと
「ああ、うん。まぁ、ちょっとね。」
と言った。
何がちょっとねだ。
挨拶しかしてないじゃないか。
「俺は香川 竜馬。リューマって呼んでくれ。」
「ああ、俺は」「はーい前向いてー」
なんて間の悪い先生だ。
もう少し生徒の青春を尊重してほしい。
「はい、今日から皆さんの担任になります。愛野 愛です。気軽にあいあいとでも呼んでください。」
ノリの良さそうな男子が早速「あいあいー!」とか叫んでた。
それに便乗して香川も「あいあいー!」って叫んでた。馬鹿か。
「さて、それではこれから体育館に移動して、入学式があります。はいみんな廊下に並んでー!」
わいわいがやがや言いながら教室を出る。
小学生みたいに先生に怒られながら体育館へと歩いた。
「え~であるからして~・・・・。」
校長先生、話は短めにお願いしますよ・・・。
そんなことを思っていると、くいくい。
後ろから引っ張られた。
何かと思って後ろを向くと、二年生の先輩が目を輝かせてこちらを見ていた。
「ねえ、君。星空研究会って興味ない?」
・・・。
どうやら部活の勧誘らしい。
隣を見ると香川も勧誘を受けていた。
いや、よく見るとあちらこちらで勧誘が行われている。
いったいどんな学校なんだ・・・。
「少しでも興味あるならさぁ、ちょっとでいいから見に来てよ!」
「あ・・はい。」
部活か・・・。
そういえば部活のこと何も考えてなかったなぁ・・・。
俺はよくスポーツをやっていると勘違いされるが、特にこれといってやってるものはないのだ。
そもそもなぜこんな体格・・・いや、読者諸君にはわからないか。
俺は自分で言っちゃあなんだがそこそこの体格をしている。
ただ、ガチムチとかそういうのではなく、不良でよくいるスレンダーなマッチョなのである。
なぜこんな体格になったかと言うと、実家がクソ田舎で中学まで2時間自転車をこいで登校しているうちにこんな体格になってしまったのだ。
まあ、とにかくそんな体格なので、運動部に入ろうと思っていただが。
折角誘ってくださったので行って見ても良いかな。
「わかりました。放課後見に行きます。」
先輩はさらに目を輝かせて「ホント?ありがとぉ~♪嘘ついちゃダメだよ?」
と言っていた。
少し先輩の笑顔にクラっと来たのは言うまでもない。
二話です。
新人ですが温かい目で見てやってください!
って・・・・自分で言ってちゃ世話ねぇかwww