旅立ち
5
翌朝、俺の腹は満腹だった。もう、二度と何も食わなくても生きられると思うくらいに。
そして俺は、草を編んで作った寝床を崩した。もう二度と、戻ってくることはないだろう。俺は旅に出ることにしたんだ。さすらいの一人旅ってやつだ。
「さて、行くか」
俺は、色鮮やかなスカーフを首に巻く。このスカーフは、ランの羽で作ったスカーフだ。べつに、これでいつもあいつと一緒だとか思うほど、俺はロマンチストじゃあない。ただ、何となく、そうしたいと思っただけだ。
俺は、このあたりで一番高いクヌギのてっぺんまで上り、風を待った。生まれてからずっと、育ってきた森。蛙や蜥蜴に追い掛け回されたり、獲物に逃げられたこともある。他の蟷螂には変わり者だと罵られたりもしたが、決して悪いことばかりではなかったし、その悪いことも今となってはいい思い出だ。
「懐かしいな。そういえばジンと俺って、兄弟なんだよなぁ。はは、こんな時に思い出すなんてな。未練が残っちまう」
――強い風が吹いた。
「じゃあな、兄弟」
俺は目一杯羽を広げた。行き先は――決まっていない。気の向くまま――何となくで、十分だ。夏はもうすぐ終わるが、どこまでも行けそうな気がした。
根拠? そんなもの、何となくに決まってらぁ!
どうも、揚羽蝶のランです。えっと……最後まで読んでいただけた方、ありがとうございます。楽しんでいただけたでしょうか?
え? 私ですか? なぜ平然と出てきているのかといわれましても……申し訳にくいのですが、体が半透明で羽を動かしているわけでもないのにふわふわ浮いちゃってる状況です。てへっ♪
閑話休題。
えっと、何の話でしたっけ? そうそう、《変わり者》でしたね。
実は、センは「なんとなく」という言葉をちょくちょく使って口癖みたいにしていたのって気が付きました? 本人はカッコイイと思ってるみたいなんですが、皆さんからしたらどうなんでしょう?
あ、もうそろそろ失礼しなければ。
では、ありがとうございました。
追記:べつに格好いいなんて思ってねぇからな!! by セン
追記:いいじゃないか。俺はそもそも喋らせてもらえなかったのに…… by ジン
追記:劇中で台詞があるだけいいですよ。私なんて登場が過去形でしかも美味くなかったなんていわれましたからね………。名前もこんなだし→ by 食べられた蛾
追記:す、すまん……。 by セン