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私に、水をください
このままでは枯れてしまいます
どうかどうかお水を
「あ、雨」
鼻の先に冷たい雫を感じた瞬間
空から大量の雨
傘なんて持っていないのに
なんてバッドタイミング
大きなため息が出る
「なんなんじゃー」
一人ということもあり小声で呟きながら
足元の石ころを蹴る
あんまり飛ばなかった
「こんなんじゃ、潤わないっての」
私の人生、こんな雨じゃ潤わない
どうかどうか神様
私に〝愛〟という名の〝水〟をください...
馬鹿げた考え事をしながら
今日も誰もいない家へ歩くのだ
*rainy day