表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/228

第62話 完成に至る誤差

―王都外縁・荒野―


 風が止む。


 ゼルは動かない。


 カインも動かない。


 だが。


 空気が張り詰める。


―ゼル―


「……ズレは一瞬だ」


 小さく呟く。


「速さと固定」


「重ねているつもりでも」


「完全ではない」


―リリア―


「……ほんの少し……ですよね……?」


 震える声。


 人間には分からない領域。


―ゼル―


「……ああ」


 短く答える。


「だがそれで外れる」


―本質―


 必要なのは。


 速度でも。


 力でもない。


 “同期”。


―理解―


「……同時じゃない」


「完全に一致させる」


「ズレをゼロにする」


―再戦―


 カインが動く。


 速い。


 重い。


 だが。


 ゼルは迎える。


―準備―


 踏み込む。


 速さを乗せる。


 その瞬間。


 軸を固定する。


 だが。


 “同時ではない”。


―修正―


 ほんの一瞬。


 意識を変える。


 順番を消す。


―試行―


 拳が出る。


 速さ。


 固定。


 ――重なる


―命中―


 ズレない。


 逃がさない。


 衝撃が。


 そのまま入る。


―結果―


 カインの体が揺れる。


 一歩。


 二歩。


 後退する。


―リリア―


「……下がった……!」


 声が震える。


 今までとは違う。


 明確な変化。


―カイン―


「……」


 一瞬、沈黙。


 そして。


「……いい」


 低く言う。


「完成したか」


―ゼル―


「……ああ」


 短く返す。


「再現できる」


 それだけで十分。


―変化―


 空気が変わる。


 戦いの質が。


 完全に変わる。


―締め―


 偶然の一撃は。


 技ではない。


 だが。


 再現できた瞬間。


 それは“力”になる。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ