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裏切られた俺だけが覚醒した 《契約支配(ドミネーション・コントラクト)》 ――奪われたすべてを、奪い返す 〜今さら謝ってももう遅い〜  作者: 竜太郎


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第51話 近づく核心

―王都外縁・荒野―


 衝撃が続く。


 拳がぶつかる音。


 地面が抉れる音。


 戦いは止まらない。


―反復―


 ゼルが踏み込む。


 打つ。


 流される。


 だが。


 わずかに残る。


 その繰り返し。


―違和感―


「……違うな」


 ゼルが呟く。


「……?」


 リリアが反応する。


―観察―


「ただ流しているわけじゃない」


 カインの動き。


 筋肉の動き。


 呼吸。


 すべてを見る。


「……受ける“前”に動いている」


―核心への接近―


「……予測?」


 リリアが言う。


「違う」


 ゼルが即答する。


「読んでいるんじゃない」


「感じている」


―再接触―


 カインが来る。


 ゼルが構える。


 今度は。


 わずかに遅らせる。


 タイミングをズラす。


―変化―


 拳が当たる。


 流される。


 だが。


 さっきよりも。


 残る。


「……」


 カインの目がわずかに動く。


―確信―


「……やはり」


 ゼルが呟く。


「“反応”している」


「……?」


 リリアが息を呑む。


―本質―


「攻撃そのものじゃない」


「“入力”に対して動いている」


「……入力?」


「動きの前段階だ」


 ゼルが言う。


「力の流れ」


「重心」


「意識」


「それを拾っている」


―カイン―


「……そこまで見るか」


 初めての変化。


 少しだけ。


 興味が深まる。


―ゼル―


「……なら簡単だ」


 短く言う。


「入力を変える」


―リリア―


「……できますか?」


「できる」


 即答。


「だが」


「一段上がる」


 意味は明確。


 さらに危険になる。


―締め―


 ただ削るだけではない。


 ただ殴るだけでもない。


 相手の“仕組み”を理解した時。


 戦いは変わる。



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