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第312話「見える崩壊」
夜。
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王城内部。
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会議室。
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報告が続く。
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「……退役願い」
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「……百三件です」
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静かな声。
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会議室が沈黙する。
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百を超えた。
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誰も驚かない。
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だが。
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重みは違った。
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別の報告。
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「……市場価格」
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「……平均三%上昇」
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さらに。
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「……地方行政」
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「……独自処理案件増加」
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誰も顔を上げない。
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数字は嘘をつかない。
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崩壊は。
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もう見えていた。
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一方。
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最上階。
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ヴァルディスは窓辺に立つ。
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広場。
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ゼル。
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変わらない。
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百日を越え。
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なお動かない男。
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「……面白い」
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小さな声。
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「……誰も剣を振っていない」
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短い沈黙。
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「……それでも国は崩れる」
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広場では。
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露店が並ぶ。
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人々が笑う。
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子供が走る。
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王城は沈む。
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街は生きる。
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その対比は。
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以前よりも鮮明になっていた。
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