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第21話 暴かれる真実

―辺境都市・中央広場―


「本日は臨時の報告を行う」


 ガルドの声が響く。


 集められた騎士たち。


 そして民衆。


 異様な空気。


「……何があるんだ」


「こんな時間に全員集合なんて」


 ざわめきが広がる。


―ガルド―


「最近の混乱について説明する」


 低く、落ち着いた声。


「指揮系統のズレは把握している」


「だが問題はない」


「本日をもって再統制を――」


「――その必要はない」


 声が重なる。


 空気が止まる。


―登場―


 人混みの奥。


 一人の男が歩いてくる。


 黒い外套。


 静かな足取り。


「……誰だ」


 ざわめき。


「……」


 ガルドの目が細くなる。


「……お前は」


「久しぶりだな」


 ゼルが言う。


 その一言で。


 空気が凍る。


―動揺―


「……は?」


「ゼル……?」


「死んだはずじゃ――」


 騎士たちの声。


 民衆のざわめき。


―ガルド―


「……ありえねぇ」


 低く呟く。


「お前は……」


「処理したはずだ」


「そうだな」


 ゼルは頷く。


「お前たちはそうした」


 静かな肯定。


―公開―


「今日は一つ」


 ゼルが言う。


「確認しに来ただけだ」


「……何をだ」


 ガルドが睨む。


「お前の“功績”だ」


 ざわり。


―証拠―


 ゼルが手を上げる。


 ルークが前に出る。


「……記録を提出します」


 書類が広げられる。


「過去五年間の討伐記録」


「及び戦闘詳細」


「……何のつもりだ」


 ガルドの声が低くなる。


「見れば分かる」


 ゼルが言う。


―暴露開始―


「……第一件」


「西部魔獣掃討戦」


「主戦力:ゼル・アークレイド」


「ガルドの戦果:補助のみ」


 ざわめき。


「……は?」


「……第二件」


「東部防衛戦」


「突破戦術:ゼル案」


「実行:ゼル」


「報告:ガルド主導」


 空気が変わる。


「……おい」


「……待てよ」


―連続暴露―


「第三件」


「第四件」


「第五件」


 すべて同じ。


 主戦力は――


 ゼル。


―崩れ始める信頼―


「……嘘だろ」


「……全部?」


「……じゃあ今までのは」


 ざわめきが止まらない。


―ガルド―


「……ふざけるな!!」


 叫ぶ。


「こんなもの、捏造だ!!」


「俺は戦ってた!!」


「知っている」


 ゼルが言う。


「だが一番ではない」


「……っ!!」


―決定打―


「……最後に一つ」


 ルークが言う。


「当時の音声記録」


 再生される。


『任せろ、ガルド』


『ここは俺がやる』


 ゼルの声。


 戦闘音。


 そして。


『……報告は俺がまとめる』


 ガルドの声。


 沈黙。


―完全露見―


「……あ」


 誰かが呟く。


「……マジかよ」


 視線が変わる。


 尊敬から。


 疑念へ。


 そして。


 失望へ。


―締め―


「……さて」


 ゼルが言う。


「これで確認は終わりだ」


 静かな声。


「お前の功績は」


「すべて借り物だ」


 ガルドの顔から血の気が引く。


 その瞬間。


 “英雄”は死んだ。



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