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第18話 露見する対立

―騎士団本部・作戦会議室―


「本日の任務は外縁森の制圧だ」


 ガルドが地図を指す。


「魔獣の増加が確認されている」


「ここで一度、徹底的に掃討する」


「前衛は三隊に分けて包囲」


「中央突破は俺が行う」


「以上だ」


 騎士たちが頷く。


 だが。


「……異議があります」


 ルークが口を開く。


 ざわりと空気が揺れる。


「包囲は非効率です」


「魔獣の動きから見て」


「一点集中での殲滅が最適かと」


 静まり返る室内。


「……却下だ」


 ガルドが即座に言う。


「包囲で逃げ場を潰す」


「確実性を取る」


「ですが」


 ルークは続ける。


「現状の統率では包囲は成立しません」


 空気が凍る。


「……どういう意味だ」


 ガルドの声が低くなる。


「連携の遅延が続いています」


「分散行動はリスクです」


 正論。


 だからこそ。


 刺さる。


―決定的衝突―


「……俺の指揮を否定するのか」


「否定ではありません」


「最適化です」


 淡々とした返答。


 それが一番苛立つ。


「……俺が判断する」


「それが指揮だ」


「……はい」


 ルークは一歩引く。


 だが。


 その目は変わらない。


―周囲―


「……今の」


「完全にぶつかったな」


「……ああ」


「どっちが正しいんだ?」


 誰も答えない。


―任務開始―


「配置につけ!」


 騎士たちが動く。


 だが。


 動きに迷いがある。


 視線が交差する。


「……包囲でいくのか?」


「いや……」


「一点集中の方が――」


「……指示は包囲だ」


 統一されない。


―戦闘―


「前衛、展開!」


 ガルドが指示を出す。


「中央、押し込む!」


 同時に。


「中央に集中!」


 ルークの声。


 動きが止まる。


 決定的な一瞬。


「……どっちだ!」


 迷い。


 そして。


 遅れる。


「っ……!」


 魔獣が突破する。


「くそっ!」


「後衛!」


「対応が遅れる!」


 連携が崩れる。


―被害―


「ぐあっ!!」


 今までより重い負傷。


「下がれ!」


「撤退ラインを維持しろ!」


 混乱。


 だが。


 ガルドが前に出る。


「……俺が止める」


 圧倒的な強さ。


 魔獣を切り裂く。


 戦闘は収束する。


―戦闘後―


「……被害報告」


「重傷一名、軽傷三名」


 沈黙。


 明確な悪化。


―対面―


「……これが結果だ」


 ガルドが言う。


「迷いが生んだ」


「……はい」


 誰も否定しない。


 だが。


「……違うだろ」


 誰かが小さく呟く。


 聞こえないふりをする。


―ガルドの内心―


「……俺のせいか?」


 一瞬。


 思考が揺れる。


「……違う」


 即座に否定。


「ルークだ」


 答えを決める。


―ゼル側―


「いい」


 ゼルが呟く。


「完全に割れた」


「はい」


「もう戻りません」


 静かな声。


「次で」


「崩す」


―締め―


 その日。


 騎士団は勝利した。


 任務も達成された。


 だが。


 “同じ敵と戦っている”はずの彼らは。


 もう同じ組織ではなかった。



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