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序章 風の止まる夜

全5篇の短編の予定です

その夜、風が止んだ。

寄宿学校の尖塔の上で、僕はひとり、息をひそめて世界の音を聴いていた。

蝋燭の火は凪ぎ、鐘は沈黙したまま、空には星すら瞬かなかった。

ただ遠くの森が微かに鳴り、それさえも時の名残のように消えていく。


「ねぇ、リオ。もし風が止まったら、世界はどうなると思う?」

あの声が、心の奥でまだ響いていた。

僕は答えを知らなかった。ただ、風が止まれば笑顔も凍るのだと、彼女の最後の瞳が教えてくれた。


夜明け前、塔の影に黒い鳥が舞い降りた。

翼は煤のように黒く、瞳はどこかで見た色をしていた。

その鳥――フギンは僕に近づき、囁いた。

「行こう、リオ。風の止まった世界の果てまで。」

その声に導かれ、僕は静かに窓を開けた。

風はなかった。

それでも、僕の中に何かが吹きはじめていた

ここまでお読み頂き、ありがとうございます

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