その3 「伊勢志摩フォークソング連絡会議」
又、その次には遠藤賢司のフォークのコンサートにも
行ってみたが、チケットに主催が伊勢志摩フォークソング
連絡会議と書いてあった。
その遠藤賢司のコンサートが終わると「T」兄ちゃんが
主催したメンバーの一人に話しかけた。
すると「最後まで残って待ってて欲しい」と言われて
まっていたら、
「今から打ち上げするから一緒に来てくれ」
ということなので、二人でついていった。
連れて行かれたのは伊勢市駅の近くの、入り組んだ
路地に入った所にある、一軒の下宿屋だった。
私たちを誘ったその部屋の住人は「S」と言い、
他にも4人ほどいたので4畳半の部屋はいっぱいに
なってしまった。
そこで今回のコンサートの反省会の様なことが
おこなわれて、入場者が目標に達したらしく成功に
終わったということだった。
観光文化会館は立ち見席を入れて1300人の会場で
1000人の入場者が無いと赤字になる料金設定で、
コンサートを企画していたらしく、自分たちが
呼びたいフォークシンガーをできるだけ安い料金で
というのが会のコンセプトなのだそうだ。
前回はアリスのコンサートだったそうで、レコードを
出してデビューしたばかりの頃で、あまり人気がなく
赤字になったらしい。
今回のコンサートが成功して区切りがついたらしく
その場にいた3人のメンバーが、音楽活動を
やめるということだった。
伊勢志摩フォークはプロを呼んでのコンサートより
自分たちで歌うアマチュアのコンサートの方が
主であるらしく、月に一回定期的に開催しているので
私たちにもぜひ参加して欲しいと伊勢志摩フォークの
会を、続けるという「S」に誘われたのだった。
それで今度のコンサートに、私たちも参加する
ことになった。
アマチュアのコンサートで観光文化会館をいっぱいに
したいというのが「S」の夢なのだそうだ。
それともうひとり、リーダー格の「H」という男が
いるそうで彼は京都の大学に行っていてその日は
こちらにいなかったが、次のコンサートの時に紹介
するということになった。
その日が私たちを含めた、新生の伊勢志摩フォークの
出発の日となったのです。