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9話 華のその3

夕飯をご馳走になり時間は午後8時。


リビングのテーブルで愛と向き合いながら話しているターク。


そしてソファーには居眠りしている華…。


ターク「あいつ…」


タークはつい口が緩んでしまい微笑みながら言う。


ターク「いっつも食後寝るのか?…なんか…食った

後に牛になるだとか…一番気にするタイプに見える

のに…」


愛はそれを聞いて手で口を少し覆いながら笑う?


愛「ふふ…華はいっつもそうなの…というか…凄く

素直…かな…疲れた時は寝て…お腹が減ったら

食べて…私が泣いてたら傍にいてくれて…」


ターク「…泣いて…?」


愛はハッとしたようにし。


愛「あ…違うの…忘れて…」


愛はそっと俯く。


その姿にはいつものお姉さん感がなかった。


愛「…」


ターク「愛さん…何かあるなら…話さないと分からない…だろ?」


愛「…」


愛は静かに顔を上げ。


愛「お姉さんね…知ってると思うけど…幼い頃に母親をなくしたの…それから華の為にたっくさん

頑張ってきたけど…結局…母親の温もりを出せるのは母親だけ…だから…あの娘…やっぱり…」


この時から愛の声が震え始めてた。


愛「…辛いわよね…私じゃ代わりにはなれないから…でもね…?」


愛は立ち上がりゆっくり華の眠るソファーに近づき。


愛「こんなに可愛い顔で…純粋で…可愛い寝顔で…

でも…辛さを隠してて…」


ターク「気付いてたんだな…」


愛「えぇ…きっとこの娘には…」


愛の涙の量が増えてきた…。


タークはそっと愛を抱き締める…温めるように…。


ターク「愛さん…母親が恋しいのは華だけじゃない…そうだろ?ってか…母親の記憶がある分…あんたは

もっと辛い…」


愛「…」


ターク「だから…つまり…その…」


タークはかけていい言葉を必死に探していたが…

次に起こる事に助けられた気がした…。


ポツポツ…


窓に水が当たる音。


ザー…


外は雨が降る…。


愛は涙を服の袖で拭いてタークからそっと離れる。


愛「いっけない…タクくん…良ければ送るよ?」


愛は少し赤めた目で見つめてくる。


ターク「いや…でも…」


愛「ううん…送らせて…?」


愛は車の鍵を手に取り。


愛「…タクくんといると…落ち着くから…」


ターク「なら…お言葉に甘えて…。」


タークは愛に連れられ車の助手席に乗る。


愛は少し自分を落ち着かせるかのように目をつぶり深呼吸をしていた。


愛「ありがとうね…タクくん…」


ターク「いや…俺こそ…ありがとう…」


続…。


次回からクラスの人気者!メイ編!

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