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5話 理沙のその2

汐見「タク…しっかりして…あんなの行く必要ないって…」


汐見はタクを説得しようとタクの机の前から

身を乗り出していた。


その時丁度茶倉が教室を通りかかりその様子に気付く。


茶倉「シオ?どうしたの?」


汐見「茶倉…」


汐見は教室から廊下に出て…カクカクシカジカ…


茶倉「えぇー…それってやっぱ変じゃない?」


茶倉も説得するように教室に入る。


茶倉「ターくん!キャットフードを買ったつもりが猫が太っちゃった!どうして?」


ターク「ファットフードを買ったから」


茶倉「シオ…いつものターくんだよ」


汐見「なにそれ…もう知ーらない…」


汐見は呆れて自分の席に戻ってしまう。


茶倉「あ…行っちゃった…」


茶倉は汐見の様子を心配そうに見ながらタークを

見直し。


茶倉「それじゃあ…とりあえず…今日生徒会長の所

行くんだったら…ウチの来ないの?」


ターク「喫茶店?まぁな…今日はそれより大事な事があるし…」


茶倉はため息まじりに


茶倉「生徒会長に会うのが大事なことね…まぁ…

ターくんが言うなら止めないけど…」


ターク「なーに…ちょっとご馳走になるだけだっての…」


タークは余裕を感じながら授業を受ける準備をする。


茶倉は少し呆れながら教室から出ていく。


ターク「…(なんだよ二人して…)」


タークはそのまま今の出来事を少し気にしながらも

授業を受ける…。


そして昼…チャイムが昼休みの時間を知らせてくれる


タークは既に生徒会長室…


と…石に彫られた看板がついている壁の前に立っていた。


ターク「…(さーすが…金だけが取り柄の学校…)」


そんなことを考えながらもドアに手を掛け

おもいっきり引く…。


ガチャガチャ…


ターク「…あれ…開かない…あれ…おっかしい…」


ガチャガチャ…


ターク「あ…押戸…」


ガチャガチャ…


ガチャガチャ…


ターク「あれっ…あっかねぇ…」


ガチャガチャ…


ガチャガチャ…


ガラガラガラ…


どうにか開けようと試行錯誤しているなかドアが急に開く。


男「スライドっす」


ターク「あ…スライド…あぁ…そっか…どうも…」


タークは唖然としながらもドアを開けてくれた

男についていき中に入っていく。


男「話に聞いてたんすけど…

あなたがタークって奴?」


ターク「あ…そうそう…あんたは?あ…もしかして…

生徒会長が言ってた彼氏?」


ハヤッシ「俺っすか?いやいやーw

俺は生徒会庶務リーダー!ハヤッシっす!」


ターク「庶務リーダー?リーダーか…庶務って?

どういう─…」


その時だった、ゆっくりとカーペットの上を歩く音

フカフカのカーペットの毛がが高級な制服の靴で倒れながら現れる女…。


エレガント…なんだかカーペットの毛さえも踏まれてる事に喜んでるように見えなくもないよね?って感じのエレガントさ…そして現れたのは…。


理沙「あら…タークさん…いらっしゃい…こちらへ」


理沙が案内する先にドア…。


その隣の看板には「居間」と書いてある。


ハヤッシ「あ…理沙さん!ここは俺が!」


ハヤッシはバッとドアに近づいては手を掛け横に…。


ガチャガチャ…


ハヤッシ「あれっ…あれっ…」


理沙「引き戸よ…」


ガチャ…


ハヤッシ「あぁ!そっか!」


ターク「…色々とツッコミたい」



居間に入るとチョコレート色の木のフレームに

赤く塗られた高級革のソファが二つ置いてある。


そして少し高い天井にシャンデリア。


窓も本棚も全て高級感に溢れている…。


そしてテーブルの中央のカゴには

お菓子が置いてある。


ターク「…(すっげぇな)」


理沙はタークが部屋を見渡してるのを見て少し

微笑み…ハヤッシに向きなおす。


理沙「…ハヤ…特別任務よ」


ハヤッシ「はっ!かしこまり!」


ハヤッシは理沙から命令をされると嬉しそうに

生徒会長室の奥の方に行ってしまう。


ターク「…」


タークはそんなこんなを見ながらソファーに座る…。


それを見た理沙も嬉しそうに微笑み目の前の

もう一つのソファーに腰をかける。


理沙「さて、まずあなたを勧誘させてもらうわ…」


ターク「お?なんだなんだ?」


理沙「生徒会長に入らない?そうねぇ…今入れば…

庶務副リーダーに任命するわ…」


ターク「その…庶務ってなんなんだ?」


理沙「お茶を出したり…椅子を磨いたり…

あと私の話し相手になってもらう役よ」


ターク「…(ハヤッシ…)」


理沙「今のところハヤだけで人手が足りないと思ったのよ…」


ターク「…(……ハヤッシ…)」


コンコン!


機嫌よくノックする音…。


ハヤッシ「失礼しまーす!お茶でーす!

失礼しましたー!」


置いて抜ける…。


今まで人生で見たお茶出しで最速だったと思う。


理沙「どう?私のペットになる気はあるかしら?」


ターク「ペ…ペット?」


理沙「庶務副リーダーよ」


ターク「あぁ…えっと…いいかな…」


理沙「あら…そう…」


理沙の目はまた少し…光った気がした。



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