3話 秋月のその3
秋月はいつも通りタークの行動パターンノートを
読んでいた。
秋月の入念な検証の結果500ページ…一冊100ページのノート五冊を所有している。
そしてびっしりかかれた500通りの行動パターン…。
タークの行動によって記憶しているページを瞬時に開いて先回りする…。
例として先日のこと…。
秋月は教室の机で休み時間、サングラスを着用しながら前を見ていた…しかし黒いサングラスの奥は
他の誰から見ても黒で目線に気付けない、勿論
秋月はタークを見ていた。
タークがあくび…そして筆箱に先に触れて片付け
始める…するとノートを開く必要もない…。
記憶している事を辿り編み出した答えは…。
秋月「…(先に売店からの屋上…♡)」
秋月は先回りししっかり屋上に行っておく。
そしてしっかりタークは屋上に現れる…。
タークの行動パターンは全て記録、記憶していて
それに間違いはなかった。
勿論先回りするのはストーカーだと思われないため。
これが先にいればストーカーじゃないよね理論だ。
しかし秋月のストーキング技術はこれだけではない
事件はある日起きた…。
その日のタークは授業後、あくび、筆箱の行動。
しかし…その後くしゃみを二回したのだ…。
あくびと違ってくしゃみはパターンかされにくい
プロストーカーにとって大敵なのだ…。
過去に戻って石を拾っただけで未来は変わる…それと
同じで行動も変わってしまう可能性がある…。
そして焦り…ストーキングは失敗…学校生活全ての
内の1日分のストーキングがパーになってしまう。
しかしそれは…秋月以外なら…の話であった。
彼女のストーキング本能は舐められるほどの実力ではない。
秋月「…(くしゃみ二回…)」
秋月は瞬時に鉛筆を持ちノートの白紙のページを開く。
そこにはまざ"エルーシブパターン"と書いてその下に
沢山の情報…文字、数字、式を書き綴っていく。
秋月「…(くしゃみをした時の脳の揺れを計算して
その揺れの衝撃による思考の変化…それを考慮していつもなら購買に行きそれから屋上の所が…)」
秋月はトントントンと鉛筆をノートに三回叩きつけた次の瞬間…答えを見つける。
秋月「…(たまには屋上じゃなくて教室での
ガヤガヤを楽しみながらパンを食べる…と考える
つまり…教室にいればタークくんを観察できる♡)」
秋月は教室に残りタークを待つ…。
そして予測通りタークは教室にパンを持ったまま
戻ってきて耳を教室中に傾けるように微笑んでパンを食べていた。
秋月「…(えへへ♡)」
…さて…今に戻る、秋月は今回のタークの行動。
(500/42パターン目の足組み、伸び、それから立つ)
という行動から今回は昼を食べずに図書室に行き
漫画を読むという行動に気付いて図書室で待ち伏せ。
タークは予測通り図書室で漫画を読んでいた。
秋月はそんなタークを観察して悦に浸り続けるので
あった…。
秋月編…完。
次回、この不思議な高校の生徒会長…理沙編から。