妖忌妃~あとがき地獄/1
二人、どこか謎の舞台に立ち、緊張した面持ちで本番開始を待っている。
不意に本番スタートし、スポットライトで照らされる。御伽、焦りながら喋り始める。
御伽(以下:おと)「御伽と」
智魅(以下:トモ)「トモミの」
二人「あとがき地獄~っ!!」
あとがき地獄――第一章「妖忌妃~first strange」
あとがき小説です。
ストーリーとは関係ないので別に読まなくても問題ありません。
おと「始まりましたね。『妖紀行~Border of strange』。これからどうなっていくことやら」
トモ「ま、私がいるんだから問題ないわよね」
おと「自信過剰なのはいいですけど、あんまり無茶はしないでくださいね」
トモ「あら、私に無茶なんてないわよ」
犬兎(以下:いぬ)「どうも、呼ばれてないけど犬兎です」
トモ「何よこの犬。なんか耳長いし」
いぬ「はいはい。では、あとがき地獄の概要説明と行きましょうか」
トモ「私を無視しないで頂戴」
おと「まあまあ、トモミさん。この人は私の友人なんですよ」
トモ「あなたってば、ずいぶん特殊な交友関係を持っているのね・・・」
いぬ「えー、あとがき地獄は章の終わりごとになんかいろいろやってみるコーナーです」
いぬ「補足説明が必要な箇所を一般の皆様から質問を受け付けて、なんか適当にやってみるそうです」
おと「ずいぶんと行き当たりばったりですね」
いぬ「いやいや、ウチは常にこんなもんよ。受け付けたところで、まともに返すつもりもないし」
いぬ「まあ、要するに、適当に本編を振り返るコーナーってワケ」
トモ「頭痛いわ。こんな薄汚いイヌウサギが作者だなんて・・・」
いぬ「褒めたって田村さん家の有機ニンジンくらいしか出ないぜ? っていうか、『けんと』と呼べ」
いぬ「『イヌウサギ』って読むけど『けんと』が正しい」
おと「まあ、それはさておいて、本編の振り返りですよね」
いぬ「トモミと御伽が出会いましたって話のつもりで書いてるんだけど。どうよ、コレ」
トモ「おんなじ過去の話を何度もするのはくどいんじゃなくて? 一回で理解できてるから」
いぬ「ほっほー。ウチと同じこと考えてるなトモミ」
トモ「こんな奴と考えることが同じ・・・屈辱だわ」
いぬ「でも、一応は必要なのだよ。尺稼ぎとか尺稼ぎとかごほうびの高麗人参ちゃんとか」
おと「高麗人参とか食べるんですか?」
いぬ「いやぁ~、あれ嫌い。ウチは健康志向とかないし」
いぬ「今日もコンビニのから揚げ弁当がウチを呼んでるぜ~」
トモ「それでメタボって早死にするがいいわ」
いぬ「それでもから揚げはやめられない。から揚げがあればもう死んでもかまわない」
おと「話が脱線してますよ。―――本編の話はどうするんですか?」
いぬ「まあまあ、いいじゃないの別に」
いぬ「第二章が出来るまでの間、こうしてしばらくあとがき地獄は続くんだから」
二人「は?」
いぬ「だ~か~らぁ。次の章が完成して掲載するまでの間、あとがき地獄は続くのよ」
いぬ「故に地獄なのさ。ま、安心してくれたまへ」
いぬ「第二章の構想が完成しないままに既に第三章の執筆にかかってるような計画性のないウチだ」
いぬ「第二章の完成まであと数ヶ月は必要だし、気が乗らなかったら続きもなしになる」
おと「そうなったら、こんな意味不明の文章が小説の最後になるってことですか?」
いぬ「そうよん。そうなったら、ウチと一緒に心中ね」
トモ「ううう・・・そんなの嫌よ」
いぬ「さて、今回のあとがき地獄はここまでね」
いぬ「ウチは一眠りしてから、第三章『竹取妖呪』の執筆にかかるから」
いぬ「次回もまた、あとがき地獄でお会いしましょう」
おと「えーと、この小説はメンタルの弱い犬兎と読んでくれる皆さんで成り立っています」
トモ「次回もまた、ここでお会いすることになるでしょうね・・・」
二人「では、最後に次回予告です。ばいばぁい!」
舞台暗転。憂うつそうに見合わせる二人。
トモ「これ、ホントに続くの?」
おと「メンタルが弱いそうですから何かしらの反撃を起こせばもう止めるかもしれません」
第一回あとがき地獄――第一章「妖忌妃~first strange」/了
次回予告
知ってる? 美しい桜の木の下には、死体が埋まってるって話。
時は貴族の時代から武士の時代に移りゆく頃。激動の時代を生きた一人の姫がいた。
「妖術王―――『妖忌妃』智魅。あなたの妖扇子、私に頂戴ね」
「御伽、逃げなさい。今の私じゃ、こんな幽霊にも勝てないみたい」
気がふれても、死しても、一人の男を愛する姫。
「さあ、煉獄蝶。焼き尽くしなさい。この愚かな人間を」
「―――どうして」
冥界の楼閣にたたずむその姫の名は―――
次回、妖紀行~Border of strange第二章。
「桜散花~Eternal cherry blossom」
永遠に止まったままの世界で、彼女は今も彼を想う。