37.猫は〈幸せ〉で上書きをする
一説には、猫は楽しい記憶しか残さないらしい。
成程。
楽しい事があったら、嫌な記憶が消える→失敗を覚えていない。
つまり、反省をしないし、同じ失敗を繰り返す。
↓
猫に躾は出来ない説に繋がっていく。
誰とは言わないが、三日連続、お風呂に落ちた猫ちゃんもいますしー。
過去の失敗を覚えていないから、同じ失敗を繰り返すんだねぇ。
余命僅かな猫ちゃんに、最後にしてあげられる事はないか?と相談が来た。
もっと早く保護出来ていれば…スタッフの方の心は締め付けられる。
でもね、猫は〈幸せ〉で、心を上書きするんです。
今、保護されている猫ちゃんは、ケージの上で寝ているだけ。
見てる方は、今までどんなに辛かったかと心が痛む。
そっと、声を掛けてみる。
「今、して欲しい事ある?」
『美味しいお水が飲みたい。甘かったの。美味しかった。
幸せ 幸せ。ここのお布団、気持ちいいねえ。
みんなが僕の心配してくれるの。
ポカポカ ぽかぽか あったかい心に包まれるの。
幸せ 幸せ 気持ち良い』
ね?猫ちゃんの心は、幸せに包まれている。
その身は、辛く厳しかっただろうけれども、
魂は、幸せに包まれて上がっていく。
最後の最後にしか届かなかった〈手〉だけれど、
遅かったと、心が折れそうになるけれども、
最後の僅かな時間でも、届いたその手のお陰で、
魂は、幸せに包まれて、上がっていく。
間に合わなかったと、自分を責めないで。
最後に届いた貴女方の〈手〉に、
届いた事に、意味はあるのです。
猫は〈幸せ〉で、上書きをする。
上書き出来るチャンスを届ける〈手〉を、誇って欲しい。




