31.先住犬がいるうちに。
引き続き、我が家のハスキーズの話を。
2代目女帝ハスキーが13才の時、4代目がやって来た。
一緒に暮らしたのは、1年半程。
当初、3代目が急逝した時、次を飼う気は無かった。
病気持ちの女帝の看病しか、考えてなかった。
私はペットロスでぼーっと過ごしてたが、女帝は私を睨んでた。
ええ。冷やかな目線を浴びてました。
大丈夫??と、優しく隣に寄り添う…ではなく、
ただ黙って、いつものソファーからジーっと見てる。
〈お前、しっかりしろよ!〉の圧掛けて。
淡々と日課の散歩に出かける中、子犬と出会った。
あらあらあら♪と子犬に癒されていると、
女帝も緩々とした表情で笑ってる。
女帝が笑ってる。 いつ振りだっけ???
その時、犬友さんに言われた。
〈次の子を迎えるなら、先住犬が居るうちがいい〉と。
当然、私は拒否る。
いやいや、高齢の病気の介護中の犬と、
めっちゃ世話の掛かる子犬と、一緒に飼うのはキツイです。と。
だが、更に畳み掛けられた。
「高齢犬は、子犬の事が気になって世話をやこうとして、
寝たきりだったのに起きあがった例もある。
ご飯や散歩、家族との接し方等、
先住犬の見本があれば、子犬の負担はグッと減る。
高齢犬は元気を貰って、子犬は知識を貰う。
次を飼う気持ちがあるなら、1日でも早く
先住犬が居るうちが良いって。」
とは言っても…いずれ飼うかも?ですが…
ニッコニコ!の満面の笑みで更に追いうち。
「大変なのは、飼い主だけだからね♪
1日でも早く同居した方が、犬は!助かるからね♪
子犬の為に、迎えるなら先住犬が居るうちだよ♪」
(子犬の為に、その位の苦労するよね?)圧 圧 圧…
そうですかぁ〜…入れ替わりじゃ遅いですか…
うーーーーん… 今、女帝様の医療費半端ないんですけど…
ウーーン
ウーーン
3代目が居なくなって初めて、女帝様が笑ったんだよなぁ。
笑ったんだよ。
女帝様が笑顔になるならば…
女帝様の笑顔の為に…不本意ですが………
迎え よう か?
飼い主、キッツイですけど!!
この様な決意の元に、
〈売れ残ってるであろう生後半年以上の小柄な女子〉
の条件にヒットした、
性格屈折しまくりの4代目女子が、我が家に来たのだった。
結果、犬友さんの言葉は正しかった!
人の社会性も、犬の社会性も、何一つ育ってなかった4代目。
私に撫でられる女帝様を、
〈人に撫でられて嬉しいの??なんで??〉
と、驚愕の瞳で見ていたのだ。
人と犬は仲良し!それが当たり前の事だと教え込む。
トイレの場所も、ご飯のタイミングも、見本あり。
お散歩道も、怖い時は女帝様の影に逃げ込む4代目。
犬目線の判らない事を、女帝様を見て理解していった。
逆に、長い事おもちゃで遊ぶ事もなかった女帝様。
4代目に与えたオモチャで、コソっと遊んでいらっしゃる。
4代目に付き合って、15才でドッグランにも行った。
なんだかんだで刺激を貰って、若返ったと思う。
ある日、いつも完璧なカメラ目線をする女帝様が、
この日を界に、カメラを見なくなった。
代わりに、それまで視線が泳いでた4代目が、
ビシッと!カメラ目線を決めた。
この日から2ヶ月後、女帝様は旅立った。
後日、アニコミでこの日の事を聞いた。
「あの日から、君はカメラ目線する様になったよね。
女帝様に、何か言われた??」
『うん、姉さんに言われた。
カメラを見るのは、この家のルールだから。
お母さんがカメラを持ったら、カメラ目線しなさいって。』
そっかぁ。カメラ目線は、我が家のルールになってたかぁ。
自分の身体がキツくなったから、
モデル犬の心得を引き継いだんだね。ありがとね。
犬達は、人の知らない所でしっかり引き継ぎをしている。
次の子を迎える時は、出来るだけ先住犬のいるうちに。
先住犬は、新しい子に多大な知識を与えます。
犬は、とーーっても!助かる。
飼い主は、とーーーっても!苦労する。
犬のストレス>飼い主の苦労 です!




