25. 何故、捕獲されなきゃいけない?
通称シロ君 雄 2才
飼い主だったお爺さんが亡くなった後、放逐された。
家から追い出されたシロ君は、逞しく生き残った。
それだけなら良かった。
このシロ君、周辺の野良猫コミュニティーのボス猫になりおった。
そして、ご飯を譲らなかった女子猫を血祭りにあげた。
サクラ耳の女子猫ズを可愛がってる方々が激怒!(そりゃそうだ)
早急にシロ君の引取先を確保し、捕獲する事に。
が、
全く!嘲笑うが如く捕まらない。
事態が進まない事で、私が話をしてみる事に。
「こんにちは、シロ君。
飼い主さんだったお爺さんは、戻ってこない。
ここでは君に攻撃をしてくる人がいる。
お腹すいてない?一人は寂しいでしょう?
他の場所に行かないかい?優しい飼い主さんが君を待ってる。
室内猫じゃないから、お外で自由にいられる。
でも、ご飯はきっちり貰えます。
先輩猫もいるから、寂しくないよ。
捕獲機に入ろう。
ココに君の居場所は無いから、違う処に行こう?」
『なあ?お爺さんは死んだのか?戻って来ないのか?』
「お爺さんは亡くなりました。もう、戻って来ません。」
ボタッ ボタボタ
溢れる涙を堪えて、シロ君が問うてくる。
『待ってても、もう会えないのか?』
「お爺さんは二度と戻らない。
ココに君の居場所は無い(注*人間視点)
捕獲機に入って、手術受けて、新しい飼い主さんの所へ行こう?」
『…………』
2週間程、ずっと捕獲を呼びかけているけど捕まらないシロ君。
最終交渉開始。
「シロ君、新しい飼い主さんが待ってるよ。捕獲されよう?」
『なあ?俺はこの周辺の猫コミュニティーのボスだ。
ボス猫なのに、なんでこの地を離れなきゃいけないんだ?』
「そうですかー。ボスですかー。
でもですね、アナタ、女子猫に怪我させてますよね。
それで恨みをかってるんだが。
女子猫に優しくする気は?」
『何で俺が、逆らう女子猫と仲良くしなきゃいけないんだ?
俺は1人でいい。
攻撃されたくなければ、逃げればいい。
俺以外は敵。人も敵だ。』
「もうすぐ梅雨が来る。雨風凌げる場所はあるの?
雨続きだと置き餌も無くなる。ご飯、なくなるよ?」
『俺のテリトリーは広い。寝場所はある。
餌場も、数箇所持ってる。
腹が減ったら、ご飯を差し出す飼い猫も居る。
俺は、この町で生きていく。生きていける。
何で、捕獲されなきゃいけないんだ?』
「君を嫌がる人達が、石を投げてくるかもよ?」
『ハっ、人が俺に何が出来る?
捕まえれるもんなら、捕まえてみろ?
奴らに捕まるワケないだろ。ばーか。』
捕獲される気、ゼロ。
飼い猫になる気、ゼロ。
人と仲良くする気、ゼロ。
保護出来たとて、家猫になるの、無理じゃない??
この先、シロ君がどうなろうと自己責任。
捕獲される日が来るのか?
このまま、地域のボス猫として君臨し続けるのか?
静観。
数日後、予想外にシロ君が捕獲された。
大雨と雷が続き、思う様にご飯を確保できなかったようだ。
目一杯突っ張ってきたけど、折れてくれて良かった。
後日、シロ君は移転先で、お友達猫と一緒にいたそう。
良かったねぇ。
ひとりぼっちで淋しかったもんね。
こっちの猫さんと、仲良くやっていくんだよ〜。




