18. ミックスに生まれた理由
引き続き、ミックス男子君の話を。
彼は、小さい頃、公園に繋がれて置いてきぼりにされた所、
今の飼い主さんに救われた。
彼が家に来て数年後、ハスキーの女の子がやってきた。
通常は、お兄ちゃん犬の方が強いのだが、この妹犬、やたら強い。
というか、妹犬が前に出ても、彼は全く怒らない。
お先にどうぞ。と、オヤツも散歩もご飯も、気にせず先を譲る。
そんな彼をみて、飼い主さんはいつも、彼は優しすぎる。
妹に譲ってばかりで、可哀想なくらいだと、若干心を痛めてらした。
で す が、
ここで、ミックス男子君が語ってくれました。
『俺はな、前世、純血種の嫌ーーーな性格の犬だった。
純血種なのを鼻にかけて、威張ってばかりのイヤーな奴。
自分以外に優しくしなかった、思いやりの全く無い純血種だった。
そんなだった俺は、今世、ミックス犬に生まれて、
且つ、ちょっと痛い目にあわなきゃいけなかった。
なので、公園に捨てられた。
それでいいんだ。俺は、ミックス犬をバカにしてたから、
ミックス犬の辛さを体験しなきゃいけなかったんだ。
俺が妹に譲ってばかりで、可哀想?妹が強過ぎて不憫?
いえいえ、これも俺が望んだ形だから。
前世の俺は、他者に譲るって事を一切しなかった。
今世、自分より強く出る妹に、怒らずに先を譲る。怒らない。
〈他者に譲る優しさを持つ〉俺の命題はコレだ。
我儘なお嬢様の妹に合わせる事で、俺は他者に優しくする事を覚えた。
ミックス犬に生まれた事も、捨てられた事も、強気の妹に負けてる事も、
全て、俺に必要な事事だったんだ。
だから俺は、全く!可哀想じゃない。
公園に捨てられたけど、程なくお母さんに拾われた。
これ以上の幸せがあるかい?
大好きなお母さんと強気な妹と一緒で、俺は毎日楽しかった!
妹にオヤツを譲る位の度量の広さも、身についた。
ミックス犬の俺は、文句ナシの幸せ犬だったよ。』




