⒐代わりは要らないです
元野良出身のサバトラちゃん。そりゃー気性が荒かった!
『雄猫なんて、雌猫にひれ伏せばいいのよ!』と暴言吐く程に。
そんな荒れ狂うサバトラちゃんには、穏やかな虎猫兄さんがいた。
虎猫兄さんは、威嚇するサバトラちゃんを怒る事もなく、かと言って放置する事もしない。
困っていたら手助けする。けども強制はしないと、絶妙な距離感を取っていた。
そんなサバトラちゃんも、自分は家猫だと自覚し、ちょーっと落ち着いた。
抱っこはさせないが撫でさせるとか、首におリボン付けてオシャレを満喫する位には丸くなった。
そこそこ平和に暮らしていた時、虎猫兄さんが逝ってしまった。
兄さん曰く『失敗しちゃったなぁ』と反省しつつ、
『お花に包まれて幸せだねぇ』と満面の笑みで旅立って行った。
残されたサバトラちゃんは大丈夫か?寂しくないか?と聞けば
『寂しくないよ〜。お兄ちゃん、呼んだら直ぐ傍に来てくれるもん』
そう。居るの?傍に?良いけどさ…ウロウロするのは49日までにしとこうか。
優しい虎猫兄さんは、身体は無くなっても魂は元気に存在していた。
『ウチの敷地内に、よその猫が入り込んでる!』と縄張りを意識しまくり、
庭を巡回してる足音が聴こえたり、臭ーいオシッコをしたりと、
生存中と変わらない存在感を主張していた。
(亡くなってるんだから、縄張り意識しても意味ないんだって)
そんなオシッコ事件も無くなり、落ち着いて過ごしていた頃、
所謂、猫の発情期の季節到来。
普段は静かなサバトラちゃんがミャーミャー騒ぐので、再コミュニケーション。
『どうして鳴いてるの?』
『猫の本能だから仕方がない。その内に収まるだろうから、待ってて欲しい』
『寂しくない?新しく猫さんを迎えようか?』
『寂しく無い。新しい猫さんも要らない。
虎猫兄さんは、とーっても優しかった。
これから先どんな猫が来たって、虎猫兄さんを超えられない。
誰も、虎猫兄さんになれっこない。
だから、虎猫兄さんの代わりなんて、要らない。』
『自分が歳とったら、次の子入れれば?って思う日が来るかもだけど、
暫くは一人猫で頑張ってみる。』とのサバトラちゃんの意志を尊重して、
新しい子を迎える案は、取り止めとなりました。
ツンデレなのは判っていたけど、お兄ちゃんの事が大大大好きだったんだねぇ。
ペットを増やす時は、先輩ペット達の意向を聞いておくと、トラブル回避に繋がります。




