34.ダンスと教養の時間
ダンスは今日は基本的なステップを習った。
やっぱり動くのは楽しい!
ワルツ、スロー・フォックストロットの足運びを習う。
テンポの速い曲、ゆっくりな曲、どちらでも乱れることなく動くことができた。
「まぁぁぁぁ! 本当にお嬢様は天才でございます!
ステップしか教えておりませんのに、自然に指先、足先まで繊細に配慮されていることがとても伝わってきてきますわ!!」
体操で培った根性が滲み出るようで、はじめてなのに綺麗に踊れていたようだ。
先生はまたも感動して大げさに褒めて下さった。
ダンスの後はマナー・教養の授業。
テーブルマナー、会話のマナー、望ましい立ち居振る舞い、歩き方、場面に合わせた服装や色の選び方を少しずつ習った。
これは結構面倒くさいな…
でも、作法は覚えるしかないので努力が必要だけど、体操のおかげでいつも姿勢が良いことと、基本的に指先まで神経を行き渡らせるのが癖づいているので、何となく気品のある令嬢感は出せているようだ。
先生はこの様子を満足気に眺めながら、
「もう少しマナーを覚えられたら、私のお茶会にお呼びしましょう。ここからは理論より実践ですからね!」
などと恐ろしいことを言い出した。
貴族のお茶会といえば、イジワルな令嬢から紅茶をかけられたり、囲まれて罵倒されたりするのがセオリーな催しじゃないか。
特に人気の第一王子の病弱な婚約者なんて、格好のカモだわ!
怖い怖い!!
恐怖の提案に怯えながら、授業を受けたりトレーニングをする日々を送っていたら、とうとう体育館が完成したと連絡を受けた。