33.地理と歴史の時間
「ごきげんよう、リリーお嬢様」
「ごきげんよう、マルグリット先生。今日も宜しくお願いします」
リリーは初等教育はクリアしたので、今日からは科目が変わるらしい。
ダンス、マナー、地理、歴史、芸術(絵画もしくは音楽)というラインナップとのこと。
今日はまずこの国の歴史と地理を習った。
歴史は苦手なのでイマイチ覚えていないが、この国の始まりとか、隣国との関係とかだった。
地理は色々と分かって面白かった。
まずこのクルール王国は、トワール大陸の中の国だ。
トワール大陸はちょうど四国のような形で、クルール王国は徳島県の位置にあった。
海と山があるため、港町では他国との貿易ができ、山間では農業と畜産が盛んに行われている。
北側は涼しく、冬は寒さが厳しいが南側は暖かい気候で、国民はそれぞれの土地に合った生活をしている。
基本的に1年じゅう穏やかな気候に恵まれている。
隣りの香川県にあたる国がカルトン共和国で、数年前に戦争を仕掛けてきた国だ。
四カ国で1番北にあり、冬季が長い国だ。山が多く、標高の高い山は雪に閉ざされているが、豊富に宝石や金属が採掘されている。
高知県にあたる広い国が、パレット王国。こちらは協定を結んでいることもあり、交換留学などもあるようでクルール王国とは交流は多い。
南側なので1年じゅう暖かい〜暑い国で、衣装もクルール王国とはだいぶ違うのだそうだ。
暖かい気候を活かして農業に力を入れており、特に果物の種類が多い。
珍しい食べ物がたくさんあるらしいから、いつか行ってみたい。
愛媛県にあたる国が、ラピス公国。
マティータ大公が治める国で、布や紙の生産を積極的にされている。
そのため製本の技術が発達し、量産できるため書籍などの数が多い。
日本のように学校があって皆が教育を受けられるようになっているようだ。
ふーむ、なるほど。
よく分かったし面白かったけど、やっぱり動いている方が楽しいなーと、先生にばれないよう、あくびを噛み殺すリリーだった。
明日の授業はダンスらしいから、ちょっと楽しみ。




