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病弱な令嬢に転生した体育会系女子は、今世でも鍛えたい  作者: 雪熊猫
最終章✜クルール王国 王城篇
306/325

306.王城会合②

近衛騎士総隊長こと、アゲート侯爵が話し始める。


「騎士試験はご存知の通り、志願書の時点から厳密な審査があり、出自から血筋、素行、学歴などを調べます。

もちろん身代わり受験などがないよう、姿絵も提出が義務付けられています。


今回のようなことは、本来であれば担当教官であったアルダー隊長が気づかなければならなかったことです。

勿論、リリー様のなさったことは、前例の無いことですしかなり危険なことでしたから、とてもお勧めはできない行いかとは思いますが、その責任はリリー様だけのものではありません。


そもそも… 

リリー様にそのような心配を抱かせてしまった近衛騎士も問題ですし、しかも今回の襲撃では確かにリリー様のお力をお借りすることになりました。


それは私と、現近衛騎士の不徳の致すところです。

何も申し開きができない不祥事です…

申し訳ございません」



クッ…

と歯を食いしばり、悔しそうに顔を歪める。



「誠に不本意ではありますが、我々を欺き、実力を示したグリスと言う者は、確かに騎士の力量があるかもしれません。

私は直接指導にあたっておりませんが、リリー様…グリス様は弓騎で1位の成績を修められました。

失礼ながら、さすがに年若い女性に男性騎士用の弓騎はまともに引けません。

引けたとして、1位を勝ち取ることはほぼ不可能だと思います。

娘のシエルも、かなり鍛えている方ではありますが、それでも女性用の弓騎を引いています。

多分、弓騎の訓練や試験を受けられた時は、グリス氏だったのではないですか?」



「はい。弓騎訓練を受け、試験を受けたのはグリス様です」



(実際は少し違うというか、途中交代?だけど…)



「やはりそうでしたか。

弓騎の腕前が、今の騎士見習いで右に出る者がいないのであれば、試験を受ける資格は十分にあると考えます。

さすがに無条件で騎士資格を与えることはできませんが、騎槍、弓騎、騎馬、剣技の再試験を行い、厳正な審査の結果、騎士に足る能力が認められれば、入隊を許可しましょう」



「あ… ありがとうございます… !!」



良かった!良かったグリス…!

リリーは涙を流さんばかりに喜んだ。 が、



「ただし私は、この件が終結し次第、総隊長を退こうと思っております」



!!?



「私には、近衛騎士総隊長たる資格はありません。

この上は、1隊員に戻るか、騎士そのものを辞するか、この部分は王命を仰ごうと考えております」



「そんな… なぜ…

 私の自分勝手な振る舞いのせいで、侯爵様が退任される必要はありませんわ…!

私こそ、王子妃の資質に欠ける者です。

婚約破棄を命じられても異論はございません。

侯爵様の退任など、断じて認められません!」



「いいえリリー様。

そもそも今回、上総国からの急襲を許したこと、そのような計画を事前に気づけなかったこと、王妃様の御身を危険に晒してしまったことは、リリー様の事とは関係無く、近衛騎士隊の責任です。

加えてこのような事態となったことで更に咎を深めはしましたが、根本的な問題ではありません。


近衛騎士隊の緊張感や情報収集能力、有事の際の機転、それらが不足しているからこそ、王妃様への危害を許し、リリー様に不安を抱かせたのです。

私は近衛騎士隊を率いるのに足る働きができていなかった、その責任をとる必要があります」



あわわ…

予想外の方向に話が転がってる!!



このままではアゲート侯爵(シエル様パパ)が退任されてしまう!

どうしたら…



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― 新着の感想 ―
[一言] どうしたらも何も近衛がやらかしたのは事実だから誰かが責任取らないと 襲撃許したけどなんとか守った、ならかろうじて格好付くけど守ったのがリリーだしねぇ ああ、となると綱紀粛正の意味でもバなん…
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