27.王子様とのお茶会④
街に買い物へ行こうですって!
驚いて、王子様の傍らに立っているオリバー様に目を移すと、私と同じ顔をしていた。
エルム王子はにこにことしながら、名案だな!とばかりに満足げにうなずき、私の快諾を待っている様子だ。
そのお顔は大変可愛い… 可愛い…が、 つまり可愛いのだ。
リリーの頭の中が18歳だから忘れがちだけど、リリーは11歳だし、エルム王子は12歳。
小学校5年生と6年生のおままごとカップルなのだ。
しかも王族と貴族の。
リリーちゃん、あ〜そ〜ぼ!のノリで気安く買い物には行けない身分だ。
そもそも小学校高学年の子供なら、子供ふたりで買い物は可なのか…?
百合子には弟がいないし、治安が全然分からんけど、、何て答えたら良いんだろう…
リリーの困惑が顔に出すぎていたので、見かねたオリバー様が助け舟を出した。
「エルム様。リリー様はまだお身体が整われておりませんし、お二人で城下を散策されるのはまだ難しいようにお見うけします。
ですが、観劇程度であればできるかもしれません。
父君からお許し頂ければロイヤルシートでご覧になれますし、そちらですと警備の心配もなく、リリー様がお疲れになられたら横になれるソファも設えてありますよ」
劇!!!
「エルム王子様、私、ぜひ劇をみてみたいです! お願いします!」
先程までの消極的な表情とは打って変わって前のめりぎみのリリーに驚きながら、
「では父上に頼んでみるね。」
と嬉しそうに笑った。
この世界の劇って、どんなのだろう!?
すごく楽しみ!!