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病弱な令嬢に転生した体育会系女子は、今世でも鍛えたい  作者: 雪熊猫
最終章✜クルール王国 王城篇
251/325

251.王城にて②

翌日は予定通り、王妃様からのマナーレッスンが行われた。


今日はテーブルマナーなので、せっかくだから昼食と兼ねることになった。

フルコースらしいから、ランチからフルコースだなんて、贅沢なことだわ〜♪とリリーは思っていたが、トンでもなかった。





席についたリリーの目の前には、見たことのない量のスプーンとフォークとナイフが並んでいる。

リリーはマルグリット先生から簡単なマナーは学んでいたが、その時とはカトラリーの数が全然違う。



皿の左右3つずつだけでなく、上にもスプーンとフォークが4つある…  

なんなら、リリー一人に対し、コップは4つ置いてある。

なぜ…?



絶句しているリリーに、王妃様は



「リリーさんが驚かれるのも無理はありません。

これは王室のフルコースの形です。

私達も毎日食べる食事はこの形ではないのですけれど、大事なお客様との晩餐は、大抵このテーブルセットなの。

今まで貴方は子供用に少ない量になっていたから、無かったお皿もあったかもしれないけど、これからは大人用のカトラリーの使い方、セッティングの配置を覚えてもらいますよ」


と仰った。

そして、グラスやカトラリーの配置の意味をひとつひとつ教えて下さった。



ちなみに、4つのグラスは、手前右がシャンパングラス、左が白ワイングラス、奥右が水用ゴブレット、左が赤ワイングラスらしい。


リリーはまだお酒が飲めないので、グラスがこんなに要ることを全く知らなかった。(ワインなんか同じグラスで良いやんと思うくらいだ)

他のスプーンやフォークも習ったが、型を覚えるだけで精一杯… 

種類ごとに見分けることまではできなかった。



その後はナフキンの使い方、スープの掬い方、肉を切り分ける時の手首の角度、魚の骨の取り方などを都度指南されながら、必死で食べた。



「スープは最後、手前側を持ち上げて奥側へ掬うのです。

奥を持ち上げてしまうと、向かい側に座られた方へこちらの皿底を見せることになり、大変失礼です」

「魚は表を食べ終えても裏返してはいけません。骨を外し、端に寄せます…  まっ、指など使えませんよ!」

「ステーキを切る時は、水平より少し手を立てた方がスマートです。肩の力は抜きなさい」

「サラダはフォークだけで食べてはなりません。大きい葉はナイフで切り、ベビーリーフはナイフで押さえて重ねて刺したりして、必ずナイフを使って食べなさい」



王妃様からの指摘は止むことがなく続く。

余程出来が悪いのか、ため息も止まらないようだ。

最早、味なんて全く分からない。

ひたすら、せめて音を立てないことだけを意識し、幾ばくか咀嚼したら嚥下を繰り返すだけだ。

ただただ、言われたことを忘れないように頭に刻み込んだ。





テーブルマナーの後は手紙や招待状の書き方講座だった。

相手を気遣う書き出しに、相手の興味を惹く話題提示、こちらの要件、結びの文章を、国や役職、自身との関係性によって変え、適切に仕上げていく。

勿論文字は流れるように綺麗に書かなくてはならない。


「リリーさんの文字はまだ幼さが拭えませんね。

少し練習して、洗練さを身に着けましょう 」

 


王妃様に言われ、小学生の書き方練習と同じように、Aa Bb Cc Dd Ee Ff… とひたすらスペル練習に励んだ。

まだ文章の構成までも進めず、ひたすら綺麗に書くことだけに全力投球した。





全てが終わったのはもう夕方だった。

結局文章までは辿り着かなかったが、今日はここまでとなり、解放された。



リリーは、テーブルマナー講座の、ナイフとフォークによる魚の骨外しでダメージを負った手で招待状の反復練習をしたため、寝る頃には右手はプルプルと小刻みに震え始めていた。



情けない…



最近、農産物や炊き出しをよくしていたから、足腰が強くなったと思ってたけど、指は全然使ってなかったから突然の激務に悲鳴を上げたようだ。



心配して様子を見に来てくれた王子には、強がって全然大丈夫と言ったが、すでに攣りそうな予感のする我が身を嘆いた。


ジニアが入浴後に手のマッサージをしてくれたが、それでもまだまだ強張っている。


最近ストレッチも怠っていたしなぁ…  本当ダメな私。




明日は今日と一緒のラインナップで、明後日はTPOを加味したドレスと装飾選び、明明後日は貴族名鑑や家系図の暗記…



まだまだ終わりの見えない王子妃教育に、早くも1日目でリリーはホームシックだった。




明日は諸事情で更新できません

すみません(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

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