24.王子様とのお茶会①
今日は月に一度の王子様とのお茶会の日なので、お勉強はお休みだ。
朝からストレッチに余念が無いリリーは、うつぶせで手を床につき、上体を反らすと、
「ふふふ… とうとう恥骨だけが床についているようになったわ…」
と笑みをこぼした。
「上腕三頭筋にキてる…!」
筋肉痛は、筋線維が一度壊れ、修復されるときに出る痛みで、その修復を経て筋線維は太くなるのだ。
適度な筋肉痛は、リリーにとっては身体が変わっていってくれることを示すご褒美だった。
バク転や側転をするには、柔軟性はもちろん、そもそも2本の腕で体重を支えられなければならない。
リリーはまだ手首で全体重は支えられないので、壁に足をかけた逆立ちか、肘をついて逆立ちになる三点倒立から始めることにした。
よっ と。
体重が軽いからか、案外壁掛け逆立ちは簡単にできた。
ただ、その体勢を維持できない。
うっ はふーっ ふーっ ふーっ
意識しないと息を止めてしまう。
あぁっ
ゴロン。
5秒って!! トホホ…
コンコン
「お嬢様、お支度に参りました」
ジニアの呼び声に急いで身体を起こす。
入室を承諾すると、
「お嬢様! お顔が真っ赤ではございませんか!? もしかしてお熱がおありでしょうか?」
心配して駆け寄られてしまった。
「大丈夫よ、ジニア。ちょっと暑かっただけなの。 少し汗をかいてしまったわ」
まさか逆立ちしてましたとは言えないからねー。
まずは湯浴みをして、着替えることになった。
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