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2.現状把握①

放置されている私の世話は、メイドであるこの女の(ジニア)が請け負っていた。

ジニアは小柄で栗色の髪の毛をおだんごにまとめている可愛い女の子である。



2週間前からこれまでにない発熱で意識もおぼつかなく、うわごとを繰り返す私に、冷たい布をおでこを冷やしたり、起き上がれる日はすりおろした果物、動けない日は砂糖と塩の水を布に含ませたものを口に少しずつ絞って入れたりと看病をしてくれていたようだ。


14歳だそうなので、リリーより4つ上になる。年下の女の子、と思っていたが年上の女性だった。


とにかく食事をろくに摂れていないため、体力が大幅に落ちているらしい。

医者や看護師はいないのか?



ジニアは公爵家の遠縁にあたる血筋で、貴族でありながら6人兄弟と子だくさんの家系、領地があまり裕福でなく、家族のために我が家に奉公というか働きに来ているらしい。


ジニアの他にはマリーとカシアが身の回りのお世話や洗濯、掃除をしてくれている。

幸い良い人ばかりで恵まれているようで、家族は誰も帰ってこない家だけど、リリーは寂しさは感じてなかったようだ。




ひとしきりジニアの話を頭に入れながら目をギュッと瞑る。


14歳が、年上…! しかも、この子に世話を焼かれなければ、現状私はひとりで歩くこともできない…。



ジニアに移動させて貰った姿見に映る自分の容姿を確認して、もう自分は自分の知っている私ではないんだと、嫌でも分からされた。


鏡の中からは、ゆるくカーブした細いプラチナブロンドと、陶器のような白い肌、痩せて儚げな細い四肢、長い睫毛に縁取られたアクアマリンの瞳がこちらを見つめていた。

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