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カエルの子  作者: おしぼり
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正規隊

 またここに来てしまった。

 宇宙に浮かぶシートは少し硬い。

 また正規隊がエムズ達と戦っている。

 そのおこぼれがやってくるのを待っている。

 最前線でエムズを叩くのは正規隊の仕事だ。

 では正規隊が身体を張ってステラガーデンや地球を守っているのかというとそうではない。

 彼らは政府直轄の正規部隊。装備も最新鋭だ。そしてその全てが今は遠隔操縦となっている。

 正規隊員たちは安全圏から俺たちの乗るギャラクシオのような人型機動兵器を操作してエムズと戦っているのだ。

 なのでたとえやられたとしても命を落とすことはない。

 正規隊が撃ち漏らしたワームなどと戦っている俺たちは、最前線に比べればやられる可能性は低いが、エムズに負けるイコール死となる俺たちの方がよほど危険な仕事だと言える。


『あいつらの機体ってギャラクシオ2だっけ?』

『最近、マイナーチェンジしてさらに強化されたらしいぞ』

『マジかよいいなぁ』


 暇を持て余した号田さんに、早瀬さんが返事をする。


『三下器械のセンブシリーズならこの間、三式が発表されていた。もしかしたら現行の二式が回ってくるかも』

『センブ二式か。それもいいな』

「号田さんもやっぱり遠隔操縦の方がいいんですか?」

『おっボン。どうしたよ、急に。でもそうだな。俺は実際に戦っている感覚が欲しいから、新型が手に入っても改造して乗り込むかもな』


 俺はどうなんだろう。やはり遠隔操縦の方がいいのだろうか。死を恐れなくて済むなら断然そちらだろう。

 しかし感覚をつかむのにも時間がかかりそうだ。

 正規隊員もそのすべてが衛星軌道上にあるステラ防衛大学校の卒業生だ。

 ステラ防衛大学校は、かつてはやる気さえあれば誰でも入れたらしいが、今や高い学力と身体能力が必要で、それらを身につけるには高額な費用のかかる予備校に通う必要がある。

 いまやステラ防衛大学校の生徒はお金持ちの子供ばかりで、正規隊員たちがエムズと戦うのも、金持ちの子供たちの道楽だと言う人もいる。

 しかしそれでもちゃんとした場所で学んだ者と俺のような隊長や早瀬さんに適当に教えてもらって乗っているのとでは全然違うのだろう。


『お前らそろそろだぞ。準備しろ』


 隊長の声が聞こえる。

 スリープ状態のギャラクシオのシステムを起こす。

 

『おっしゃ、今日も俺が一番乗りだ』


 号田さんが先行する。

 それに続くように隊長、早瀬さんが機体を進める。

 そしていつものように俺も三人の後を追った。


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