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カエルの子  作者: おしぼり
29/34

デカイやつ

『こちらトーカ、聞こえる?』

「聞こえますよ、トーカさん。そちらの様子はどうですか?」


 久しぶりに入ったトーカさんからの通信に、俺は嬉しさを抑えながら返事をする。


『相変わらずデカイわねヒュージ。大きすぎて遠近感が掴めない』

「まぁ宇宙空間だと更にだろうな」

「大丈夫かトーカ? 疲れてないか?」


 エリカさんやアイラさんも矢継ぎ早にトーカさんへ声をかけた。みんな心配しているんだ。


『大丈夫よ。太陽風に乗って流されてただけだから。それよりヒュージに近づくにつれ、ヤツにやられた正規の機体がジャマで中々進めない。見たことのない機体もあるからどっかの国のなんだろうな』

「総力戦ですからね。この戦いに地球の命運がかかってますから」

「だからトーカ、流れ弾にだけは注意して」

『善処するよ』


 そこからトーカさんから送られてくる映像を確認しながら成り行きを待つ。

 やはりヒュージはデカかった。

 エネルギーは無尽蔵なのか。世界各国、数多くの人型兵器に囲まれ数多の攻撃を受けながら、口から出すブレスのみで応戦していく。

 ただそのブレスが強力すぎて、誰も近づくことすらできなかった。

 どこから集まってきたのか、他のエムズたちもヒュージを守るように戦っている。

 中にはヒュージのブレスに巻き込まれるエムズもいたが、お構いなしの様子だ。


『ヒュージに取り付いた。これより第二フェーズに入る』

「動力炉があるはず。それか燃料タンク。そのどちらかを破壊できれば停止するはず。それを見つけるんだ」

『わかってる、エリカ。入口のようなものは見つからない。装甲を破壊して中に入る』

「そんなことをしたらヒュージに気づかれる」

『大丈夫。その時はその時よ』


 そう言ってトーカさんはヒュージの装甲の一部を破壊すると内部へと侵入した。

 ヒュージには気づかれていないようだ。大きすぎて、少々のダメージは気にしていないのかもしれない。

 

『これは、、、妙ね、、、』

「そうだな」

「トーカさん、エリカさん、どうしたんですか?」

「私はねタッド、ヒュージが戦艦か要塞、又は移動式の工場か何かだと思っていたんだよ」

「そういえばそんなこと言ってたな」


 アイラさんが相づちを打つ。


「だがこれは、エムズなんだ」

「だからエムズだろう。初めからそう言って、、、」

『違う。普通のエムズなのよ。ゴブリンやワームと同じ。戦艦や要塞のような構造をまったくしていない』

「トーカさん、つまりどういうことですか?」

『これは本当に、ただの大きなエムズ』

「じゃあコイツを倒しても終わらない。こんな奴がまだいっぱいいるってことですか?」

「いやそれは考えづらい。エムズは未知の素材、未知のエネルギーで出来ている。何もわかってはいないが、どこか遠い星にある素材か何かなのだろうと言われている。しかしだ。逆に言えば、それは存在しているということだよ」

「存在している?」

「そう。魔法でも超能力でもない。この広い宇宙のどこかに確実に存在するモノ。ただ私たちが知らない地球に存在しないというだけ」

「だから何なんだよ。もったいぶらずに早く言えよ」

「わかってるよアイラ。だから存在するということは限りがあると言うこと。無から生み出されているとかではない限りね。つまりこんなデカイものをいくつも作れるほど素材が潤沢にある星があるのかって話し。私は無いと思っている。つまりコイツは虎の子ということ。コイツを破壊出来れば相手にとって大きな痛手になる」

「じゃあそれでいいじゃねぇか。さっさと倒しちまおうぜ」

「そうね。ただ私も少し驚いただけだよ。トーカ? いけそうか?」

『動力炉を見つけた。大丈夫。爆弾を設置。タイマーを30分にセットする。タッド、星川に連絡を取って。連合艦隊に退避するようにって』

「了解しました。トーカさんも早くそこから脱出してください」

『まって、ひとつだけ気になることがある。というか、何か呼ばれている気がする』

「どういうことですか?」

『大丈夫。必ず帰るから』

「トーカさん!」


 そして通信は途絶えた。


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